夏ですね!
世間の皆様は海だプールだと浮かれる季節ですが、ハペ屋的には電気代で病みそうになる季節です。
どうもこんにちは!ハペ屋のgekcoです。
メジャー・マイナーを問わず、自分の気に入ったハペを好きなだけ適当に語っている当コラムですが、今回ご紹介するのはかなりのメジャー寄り、ベルツノガエルです!
路地裏のアヤシイ爬虫類ショップに行かずとも、熱帯魚屋さん、果てはホームセンターやデパートで売っていることもあるので、見かけたことのある方も多いと思います。

が、ワタクシくらいのキャリアのあるハペ屋になると、ひねくれた根性から「けっ今更ベルツノなんて」と、メジャーっぷりを嫌って目を向けない傾向があります。
いやいやいや!
そういうひねたハペ屋こそ、一家に一匹は飼っておくべきカエルですぞ!
ちなみに、クランウェルツノガエルというよく似た別種もいますが、個人的にはベルツノのほうが好みなので今回はこちらで押し通します。反論は受け付けません。

「ベルツノ」はおりませぬ

まずは、ショップに行きましょう。
デパートでもホームセンターでも熱帯魚屋さんでもいいです。
で、ベルツノガエルを探してみましょう。
すぐ見つかるでしょ?
はいそれ、ベルツノではございません。
ついでに、クランウェルツノガエルという種も並んで売っていると思うので、そっちも探してみましょう。秒で見つかりますね。
はい、これもクランウェルではありません。

実は、国内に純粋なクランウェルやベルツノは流通していない可能性が高いのです。
ベルツノガエルとクランウェルツノガエルはわりと似ているカエルで、交雑が可能です。国内で流通しているベルツノガエル、クランウェルツノガエルはどちらも国内ブリードがほとんどですが、すべて両種が混ざっているとされています。その中で、よりベルツノガエルに近い特徴をもつものを「ベルツノガエル」、クランウェルツノガエルに近い特徴をもつものを「クランウェルツノガエル」と呼んでいるだけで、実際には雑種、というわけです。

ちなみに、上野動物園にいるベルツノガエルは正真正銘、純粋なベルツノガエルだと思われますが、そういわれていた頃と同じ個体が展示されているのかどうかも定かではありません。
まぁ、雑種嫌いなヒトにはこの時点で興味の対象からはずれてしまうのかもしれませんが、こういう「実は…」みたいな薀蓄のある種、個人的には大好物です。

「仕上げて」こそのベルツノ

たぶん、ですね、全国のひねたハペ屋にとって最大の難関は「カエルを買う」部分に尽きると思うのですよ。
デパートや熱帯魚屋さんで生体を買うとなるとなんか落ち着かないし、かといって行きつけの専門店で買うとなると「えっ今更このヒト、ツノガエルなの?」的な感じになるのもやだし…と、完全にプライドが邪魔するわけです。いいじゃない、正々堂々とほしいカエルを買いましょうよ。ちなみに、模様の個体変異が激しいので、いっぱいいる中から好みの個体を選び出す「抜く」楽しさもありますよ。カエルの場合、両生類なので通販でも購入可能(爬虫類は動物愛護法により対面販売の義務があります)ですが、ワタクシとしてはぜひ自分の目で見て選んでいただきたい。

さて、「俺のベルツノ」と呼ぶに値する一匹を見出したなら、さっそく飼育開始です。
が、それこそベルツノの飼い方など今更ワタクシがコラムでクドクド説明するまでもなく、ググればいくらでも出てきますし、何より簡単です。
逃げられない容器に、個体の厚みと同じくらいの厚さで床材を敷き、適度に湿らせます。カエルの全身が入る水容器を設置し、カエルを投入。
飼い方、以上。
ほら簡単。
しかし!
ハペ屋たるもの、このカエルを「ただ飼う」など言語道断です。
飼育に何ら難しい点がなく、簡単に手に入る種だからこそ、仕上げる楽しみ方をしてみましょう。

このカエルの飼育の最大のポイントは、床材です。
床材に何を使うか。
本来、ベルツノガエルは南米の「パンパ」と呼ばれる湿った草地に暮らしています。体を半分くらい土に埋め、目の前を通りがかった獲物を捕食する典型的な待ち伏せ型のハンターです。つまり、生活の大半の時間を、床材に体を埋めて過ごしていることになります。そのため、床材に何を使うか、が、その体型に大きく影響するのです。
ショップで売られているケージでは、小さなプラケに浅く水を張っているか、「ウールマット」と呼ばれるスポンジに水を含ませて敷いてある場合がほとんど。これでも飼育することは可能ですが、何もおもしろくないし、かっこよく育ちません。

そもそも、ショップは大量に入荷し、効率よくメンテナンスし、手早く販売するための場所です。プラケに浅く水を張った飼い方だと、カエルだけどかしてさっと水を換えればいいので、掃除なんか一分もかからず終わります。ウールマットを敷いていても同様。なんなら、マットくらい使い捨てにしちゃうのも手です。ただ、こういう飼い方ではなんとなくブヨっと育ってしまい、たるんだ感じになっちゃいます。ゆえに、あまりかっこよくないのです。
個人的に、ベルツノガエルの床材として気に入っているのは「フロッグソイル」という、カエル飼育専用のソイル。ソイル、というのはアクアリウムの世界で開発された素材で、土を焼き固めたようなものです。さすが、カエル飼育専用を名乗るだけのことはあって、使い勝手もいいし、何よりカエルがかっこよく育ちます。なんというか、皮膚にハリが生まれ、表皮の小さなトゲトゲもしっかりと発達して、かっこいいカエルに育つのです。

ちなみに、フロッグソイルではなくアクアリウム用のソイルを使っても、結果も使い勝手もまったく同じです。アクアリウムをやっていてソイルが余ってる、という人は、そちらを使えばいいでしょう。また、フロッグソイルは黒一色しかありませんが、アクアリウム用のソイルは何種類もあるので、好みの色合いのものを使うこともできます。
床材さえ決まれば、あとはじっくりと育て上げるのみ。気づけばイボイボ・ゴツゴツ・ムキムキの超絶かっこいいベルツノガエルに育ちあがるはずです。

インテリアにだってなっちゃうぜ!

やれ立体行動させろだとか、ホットスポットを作れだとか、そういううるさいことを一切要求しない「動かない」カエルだからこそ、飼い方の幅だって広がります。
もちろん、プラケで飼うのが一番安全で確実ですが、要するに逃げられなければいいわけです。特に、カエルが小さいうちなら、飼育容器にこだわる必要もありません。オサレなガラス容器にソイルと観葉植物を入れて楽しむ、なんていう飼い方だってできちゃいます。

ベルツノガエル

恥ずかしながら、我が家のベルツノです。
アクアリウムショップで水草用のガラスポットを買ってきてフロッグソイルを敷き、ダイソーで売ってたドラセナを植えて、上からLEDを当てただけですが、どう?ちょっとシャレオツじゃない?これでもちゃんと飼えてるんですよ。
もちろん、大きくなったらこういう飼い方はできませんが、そのときはちゃんとしたケージで飼ってやりましょう。どうせほとんど動かないカエルなので、最大サイズまで育ったとしてもケージは30センチ四方もあれば十分でしょう。岩などでちょっとしたレイアウトをすれば、それなりに活動している様子も見られるはずです。

他のハペのお供にどーぞ!

すでに他のハペ、たとえばヘビとかトカゲとか、そういうのを飼っている、という方にも強くオススメしたいのが、このベルツノガエルです。
たとえば、せっかくマウスを解凍したのにヘビがへそを曲げて食わなかった場合、そのマウスどうしてますか?
ニホンカナヘビくらいのトカゲを飼っていて、そのエサ用にMサイズのコオロギを買ってきたのに、コオロギが大きくなりすぎてエサにならない場合、どうしてますか?

そういうときに活躍してくれるのが、パックマンフロッグの異名をもつベルツノガエルです。
ヘビが食わなかったマウス?大丈夫、食います。
大きくなりすぎたコオロギ?ぜんぜん問題ありません、食います。
死んでいようが生きていようが、ピンセットで目の前にもって行けば何でも食べてくれます。
なんなら、そういうほかの生き物の食い残しだけでも飼えちゃうのがこのカエルのすばらしいところです。もちろん、本来は粗食のカエルなので、マウスなど栄養価が高すぎるのですが、ヘビ餌の残りならそんなに高頻度にはならんでしょう。

しかも、絶食に強いカエルなので、数週間くらいなら水さえ切らさなければ特に問題なく生きています。どうしても他の生き物の食べ残しが出なかったときだけカエル専用フードを使用し、それ以外は食べ残し処理班として活躍してもらう、なんてこともできるカエルなのです。どうせ飼育にほとんど手間もかからないし、いいことずくめですよ。

というわけで、道を踏み外したばかりのハペ屋初心者の方から、一通り何でも飼っちゃった筋金入りのハペ屋まで、誰でも楽しむことのできるカエルです。一家に一匹、いかがですか?

 

動物好きが集まる婚活イベントはこちら!