1993年公開。
人気が出始めた頃のブラッド・ピットと、「X-ファイル」のモルダー捜査官で有名なデヴィッド・ドュカヴニーがタブル主演するバイオレンスなロードムービーです。

ここまで凶悪なブラピは滅多に観られないのではないでしょうか。
爽やかな容姿が人気の彼ですが、この映画ではかなりバッチイし、狂っていて、絶対近づいてはいけないオーラがバリバリです。役者ですねぇ(;^ω^)

このブラピの彼女役は、当時実生活でも恋人だったジュリエット・ルイスが演じています。
近年はシンガーとして活躍中で、女優業はあまりやっていません。
演技うまいから、また何か出演してほしいな、と個人的に思っています。

あらすじ

細々と稼いでいたライターのブライアンは、過去の殺人事件について書いた記事が雑誌に採用されて評判になり、編集部から出版の話をもらう。
喜んで即契約したが、契約金は家賃と車の代金で消えた。

それでも約束した以上、執筆しなければならないのだが、書籍だけでの知識では完全に行き詰まる。
折しも写真家として身を立てたがっている恋人のキャリーが、作品が批評家らから散々な評価を受けて精神的に落ち込んでしまった。

そこで彼女に写真係をお願いして取材旅行に出かけることにした。
目指すはカリフォルニア。キャリーがずっと行きたがっている場所だ。
その道中、いろんな殺人現場を見て回って自分が執筆し、彼女の写真を使うことで、ふたりで世の中に打って出る算段だった。

しかしカツカツの生活をしている彼らはガソリン代などの旅費が心もとない。
そこで同行者を募ることにする。

前科者で仮釈放中の男・アーリーは、走行中の車に上方から大石を投げ落としたり、人を傷つけることになんの躊躇いもないサイコパスだった。
保護観察により州を出ることはできない。

職につかず、荒れ果てたトレイラーハウスで恋人のアデールと一緒に暮らしている。
しかし家賃をずっと滞納しているため、業を煮やした大家から出ていくように再三言われている。

何か仕事はないかと立ち寄った先で、ブライアンが掲示板に張り出した「同行者募集」の紙を見つけた。
新天地カリフォルニアに希望を見たアーリーは、アデールと一緒にブライアンたちと一緒に行くことを即決する。

出発前夜。
知らない人たちと一緒に旅行をすることに戸惑いがあるキャリーとは反対に、ブライアンはおおらかに構えており、自分たちの仕事も上手くいくと信じ切っていた。
アーリーは口うるさい大家を殺害して恨みを晴らす。
そして翌朝はスッキリした顔で、アデールと共にブライアンたちとの待ち合わせ場所にやってきた。

人は見た目が…?

待ち合わせ場所にやってきたブライアンたち。
先に待っていたアーリーとアデールを見て、キャリーは「なんてひどい身なり…」とドン引きします。

いかにも何日もお風呂に入っておらず、洗濯もしていない服を着ている感じのアーリーに、小学生女子(いや、それ以下かも)が着る水着のような、露出度の高い反面幼い感じのワンピースを着ているアデール。

オーソドックスだけれど清潔感があり、どちらかというとスタイリッシュな恰好を好む自分たちとは違う、とキャリーに思わせました。

「人は見た目が9割」という本が、かつてベストセラーになりました。
私は未読なのですが、なんとなく言わんとしている内容については想像つきます。
見た目には生活習慣や趣味嗜好などが出てくるのです。

お風呂嫌いで怠惰な生活をしていれば不潔感は出ますし、ファッションやメイクには自分の嗜好が出ます。
そして「人を傷つけたい・世の中に怨みがある」という思考を持っている人は、目つきが鋭くて凶暴なオーラが出ますし、「人を助けたい、世の中を笑顔にしたい」という思考の人は癒し系のオーラが出ています。

「人を見た目で判断してはいけない」とは昔からよく言われるのですが(ブライアンもこう言ってキャリーを窘めます)、残念ながら見た目もまた判断材料のひとつであって、ある程度その人の人となりが分かるものなのです。

ただこの言葉は、本人ではどうすることもできない造形的な部分でイジメをしてはいけない、という教訓でもあるので、違いをしっかり認識しておく必要があります。

見た目が人となりを表す、とは思いますが、遊んでばかりいそう、というイメージのチャラ男系の人が、真剣に仕事をしている姿を見るのは私的にかなり萌えです…プルプル_(´ཀ`」 ∠)_ギャップ萌えヤバァ…

闇に魅かれる心

殺人事件についてのルポでバズッたブライアンは、出版の話ももらって乗り気で取材を重ねます。
実際に起こった猟奇殺人の数々に興味を持っていますが、加害者の心理は自分たち普通の人間とは一線が引いてある、と思っていて「自分には縁のない話」とタカを括っていました。

その後アーリーの狂気に翻弄され、自分には理解できないサイコキラーの心理に否応なく付き合わされることになるのですが…。

まさか自分の身に起こるなんて、と思うからこそ、人は怖い話に心惹かれるのだと考えます。
リアルには考えられないから、どんな事件や事故も、どこか絵空事に思えてしまう。
平和に暮らしている人ほど闇が深い話に興味津々になるものです。

実際、推理小説やミステリー作品なども、万引きだの空き巣だのの軽犯罪より、殺人事件をモチーフにしたほうが面白い作品が多いし、売れ行きも違うでしょう。
現実にあった猟奇殺人事件について書かれた本やサイトなども、みな「怖い」と思いながらも知らない世界を覗き見る感覚でガッツリ読みふけったりするものです。

残酷さに戦慄しつつも、被害者に同情し加害者へ怒りを向ける。
猟奇事件や怪談・ホラーなどに興味を持っているからといって、その人の人格が猟奇的というわけではなく、ごく普通の人にもある感覚なのだと思います。

ただやっぱり自分が体験するのはゴメンだし、そういうことを身近で経験してしまったら、そういう話を読みたくない・見たくない、と思うようになるかもしれません。

素直さの危うさ

頭が弱いけれど、素直で善良なアデール。
ブライアンたちと知り合え、ふたりと友達になれたことを心から喜んでいます。

始めは警戒していたキャリーも、裏表のない彼女の素直さに次第に心を開いていきます。
そしてアデールが、アーリーから暴力を受けていることを聞いて本気で心配するのですが、アデール自身は「自分が悪いから」と言って彼を受け入れているのです。

幼い頃から周囲にいじめられてきたアデールは、そういう人達を撃退してくれるアーリーのおかげで安心していられる、と言って、キャリーたちがアーリーを責めないようにしようとします。

真剣に彼を愛しているアデールは、アーリーが人を殺した、と聞かされても「嘘よ!」と泣き叫んで否定しました。
その素直さが結局甘やかしになってアーリーの暴走に拍車をかけてしまうのですが、元が善良なアデールは、彼が人を殺すところを実際に見たことで彼を責め立てて命を落とします。

素直で善良なことは美徳です。
しかし、パートナーの暴力行為を容認してしまったり、真正面から責めてしまって逆恨みをされたりなどの危うさも含んでいます。

まとめ

本当にひと気のない荒野をひた走るシーンが多く、アメリカは大きい田舎だと再認識します。
ポツンと一軒家が、やはり多いんですね。
隣の家と数十メートル離れてる、とかザラですから。

こういう環境だから犯罪も多いのかなぁ、とも思います。
被害者の悲鳴が届かない。
土地が広すぎるというのも考えものなのかもしれません。
人口が多いことももちろん要因なんですけどね。

 

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