1999年公開。
誰もが知っている童話「シンデレラ」は実際にあった物語をベースにしている、というユニークな設定にしたロマンチック・コメディです。

主演はドリュー・バリモア。
メグ・ライアンの次に来たロマコメの女王といってもいいかもしれませんね。
勝ち気なシンデレラを元気よく演じています。

あらすじ

女王陛下の元にふたりの男が呼ばれた。
彼らはグリム兄弟。
陛下から呼び出しを受けた理由は、彼らが書いた童話「シンデレラ」の内容が真実とかけ離れていることへの抗議だった。

恐縮するふたりに、陛下は実際にシンデレラが履いていたガラスの靴の実物を見せる。
そして彼女は本当のストーリーをグリム兄弟に話して聞かせた。

ルネサンス期のフランス。
長期出張に出ていた父が男爵夫人ロドミラと再婚したと聞き、父と共に屋敷にやってくる夫人と、彼女のふたりの連れ子との初顔合わせのために、ダニエルは召使たちにドレスを着つけてもらっていた。

行儀を良くして、義母や姉妹たちに気に入ってもらおうと、会うのを楽しみにしている。
しかし幼なじみのグスターブにからかわれ、ついいつもの調子で暴れてしまった。
頭のてっぺんから足のつま先まで泥だらけにして初対面の挨拶に現れたダニエルに、馬車から下りてきたロドミラたちは眉をひそめる。
それでも父はダニエルを可愛がるのだった。

帰ってきたのも束の間、父はまた翌日から出張にでかける。
ダニエルは悲しくなるが、父からロドミラたちにいろいろ家のことを教えてやってくれ、と頼まれて、気持ちよく請け負った。

翌朝、出かけていく父を見送ると、門から出る間際に父は心臓を押さえて落馬した。
驚いたダニエルが慌てて駆け寄るが、父はそのまま急死してしまった。

それから10年経ち、ダニエルは召使たちと同じ地位に堕とされていた。
稼ぎ手がないにも関わらずロドミラたちは贅沢を好み、家計は傾いている。
税金を滞納しているため、古くから夫婦でダニエルに仕えてくれていた年配の召使の男性が奴隷商人に売られてしまっていた。
ダニエルは彼を必ず取り戻そうと心に決めている。

一方お城では、顔を見たこともない王女との結婚を強要されていることに反発しているヘンリー王子が、軟禁されている部屋から抜け出して外を自由に満喫していた。
山賊に大切なものを奪われて困っている老人のために山賊と戦う。
無事に取り返して老人に渡すと、その中身は描きかけの「モナリザ」だった。
老人が、かの天才レオナルド・ダ・ヴィンチだと気づいた王子は、彼を召し抱えるようになる。

ダニエルが自宅領地内のジャガイモを収穫し終えたタイミングで、馬小屋で飼っているうちの一頭を、見知らぬ人物が乗り回しているのを見つけた。
咄嗟に馬泥棒だと思い込んだダニエルはジャガイモをその男性にぶつけるが、振り向いたその人物がヘンリー王子だと分かり、慌てて平伏する。

シンデレラことダニエルと、王子様ヘンリーはこうして出会い、ふたりはたびたび遭遇することになる。

すべては国が悪いのか

ダニエルに長年仕えていた召使いの男性が、滞納された税金のカタに奴隷商人に売り飛ばされていました。
なんとか彼を助けだしたくても、お金がなくてどうにもできません。

そんなときにヘンリーに出会い、馬のレンタル代として金貨がたっぷり入った巾着をもらいます。
これで彼を助けられる。

同じくダニエルに仕えてくれていた彼の妻とも喜びあっていたところ、彼がよその国に連れて行かれるという情報が入り、ダニエルは急いで奴隷商人が通る道に向かいました。
檻になっている荷車の中には彼がいます。

ダニエルは奴隷商人に、滞納していた税金分として、ヘンリーからもらった金貨を差し出しました。
しかし商人は、彼を外国に売り飛ばすことはもう決まったことだから、と取り合おうとしません。

押し問答しているところで、通りかかったヘンリーが仲裁に入ります。
召使いが窃盗をした、と思っているヘンリーは、この処遇は当然ではないか、とダニエルに問います。

ダニエルはそれには否定はせず、代わりに犯罪を生み出してしまう国の在り方に、トマス・モアの著作「ユートピア」を引用して疑問を呈しました。

いわく、人民から教育を奪って礼節を知らない人間に育てておきながら、それで犯罪に手を染めた彼らを罰するのは、彼らを盗人にした元凶である、国を司る者に他ならない。
ダニエルはヘンリーの前で暗唱してみせて、彼を吃驚させます。

この引用文のとおり、一般庶民の生活は国によって左右されます。
国が戦争をすれば戦いに巻き込まれることになりますし、国が貧困なら貧しい生活を強いられることになります。

国に守られることもあれば、国に殺されることもあるわけです。
幸い現在の日本は、特に不自由のない暮らしができる国ですが、それでも完ぺきなわけではないと思います。
加えていつまでも平和であるという保証もありません。

国に頑張ってもらいたい、と思う部分もありますが、その国を運営しているのもまた人である以上、感覚が違っていたり全てを見て回れるわけでもないので、振り回されて怒りがこみ上げることもときにあります。
そんなときは意見を国に送って改善を要望することも良いでしょう。

ただ、今の自分の生活に不満点があるとしても、国だけを責めるのではなく、決められたルールや範囲の中で自分に何が出来るか、を考えることが大切かもしれません。
その不満点を解消する術は、きっとあると思うのです。

「国が悪い」と怒って、クレームをつけるだけでは進歩しません。
ジョン・F・ケネディの名言「国があなたに何が出来るかではなく、あなたが国に何ができるかを問え」は真理ですね。

ノーブリス・オブリージュ

顔も知らないスペイン王女との婚約をゴリ押しする両親に対して反発するヘンリー王子。
一向に聞く耳を持たないヘンリーに「特権を持つものは義務を負うんだ」と叱ります。

王族としての特権を享受している以上、それ相応の対価として義務を果たさなければならない。
これをノーブリス・オブリージュと言いますが、最近は日本でもずいぶん浸透した言葉ですよね。

「ルードヴィヒ」もそうだったのですが、王族や皇族の高貴な生まれの方は、恋愛感情の赴くままに結婚できない不自由さがあります。
気の毒ではありますが、国民が一生懸命に働いて納めた税金で生活をしているため、その結婚相手というのは相応の身分や人柄の方が求められるのは致し方ありません。

結婚相手が贅沢好みの人だと、税金の額が上がる可能性がありますし、また高貴な身分に入るのにふさわしい振る舞いが出来ない方だと、国内外で恥を晒し、国民にも恥ずかしい思いをさせてしまうのです。

そのため、たとえ恋愛感情がなかったとしても、釣り合いのとれる身分の方や、しっかりとした人格の方との結婚が国民からは祝福されます。
不敬と言われるかもしれませんが、特権を持っているからこその義務として、高貴であり不可侵の存在であってほしいと願います。

まとめ

現実にあった物語、という設定なので、魔法使いもかぼちゃの馬車も出てきません。
それにも関わらずファンタジー感がある作品になっています。
やはりおとぎ話特有のご都合主義があるからかもしれません。

実在の人物レオナルド・ダ・ヴィンチが、発明好きの不思議ちゃんキャラの老人になっていて主人公ふたりの恋を何気に手助けする魔法使いの役割を担っています。

ベースがシンデレラなので結末は当然分かり切っていますが、そこに行くまでの展開に捻りがあり、王子様にも視点が当てられているところが目新しかったです。
夢がある物語として素直に楽しめる作品でした。

 

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