与論島に移住した筆者が、ヨロンの魅力や離島ならではのアレコレをお伝えする連載の6回目。
前回は島のお祭りとイベント、つまり「ハレ」の日について書きましたが、今回は反対に「ケ」の部分に焦点を当ててみたいと思います。
移住して一年が過ぎた私が島人と触れあってきた中で、たくさんの人に知っていただきたい、心に響いた日常の景色をピックアップしました!

海謝美(うんじゃみ)

毎朝活動する海岸清掃ボランティアグループ

与論島の海は綺麗です。え、聞き飽きた?
では、その綺麗さというのは、海の色だけじゃなく、ゴミが無い砂浜のことも含めてだって、知ってますか?
世界中どの海岸にも、ゴミは漂着します。ならば与論島の海岸は、何故ゴミが無くて綺麗なんでしょうか?
その答えは、「ゴミを拾っている人たちがいるから!」です。

海岸のゴミ拾い活動を毎日実施しているボランティアグループ「海謝美」は、朝6:30に海岸に集合してラジオ体操からスタート。約45分間のゴミ拾い活動をし、「本日の成果物」を前に集合写真を撮影して、7:30頃に解散。
翌日は隣の浜で集合し、島を時計と反対回りに進んでいきます。

ボランティア活動なので、参加する・しないは、もちろん各自の自由。
しかし、寝坊してしまった朝などは、起きて時計を見た瞬間にガックリ……。
その日の楽しみ1つを、さっそく損した自分を恨み、溜め息と共に二度寝します。
参加すれば気持ちよく一日をスタートさせられて、しかも一日が長く、有意義に過ごせたのに~!みんなにも会えたのに!
今日は早く寝よう!と、心に誓うのです。
海謝美に参加してから、更年期障害が無くなったの、というお母さんもいます。
早起きは三文どころか、一生ものの得♪

表彰される

継続は力なり。2019年1月に、鹿児島県大島支庁より表彰されるという快挙を遂げました!
大島支庁では、「あまみ地域づくり褒章」制度が設けられています。これは奄美地域において、地域と行政が一体となって個性と活力あふれる地域づくりを推進していくことを目的として設けられたもの。
その功績が顕著な個人・団体が褒章されています。
海謝美の活動が与論島の美化に貢献していると認められたのですね。

当のご本人たちは、「早朝の一番気持ちのいい時間に、気の合う仲間たちと気持ちのいい活動をして、楽しんで続けているだけなのに、褒められちゃった!」という不思議な感覚でした。

広がる活動の輪

始まりは、二人のお母さんだったそうです。
現在は島人のお母さん・お父さんたちを中心に、約20名の会員により構成されています。海を綺麗にしたいという想いを持った観光客も参加し、旅のよき思い出となっているよう。ヨロンに来たら海謝美に参加する!というファンも多数。
そして今度は「観光客が私たちの海を綺麗にしてくれている」と知った小学生が参加するようになり、学校の先生も来てくれるようになり、輪が着々と広がっています。2018年の延べ参加人数は2577人でした。

しかし、与論島の海を綺麗にしているのは海謝美だけではありません。
島内の人気の海岸数ヶ所に、ゴミ箱ならぬ「拾い箱」が設置されており、何時でも誰でも、海で拾ったゴミを入れられるようになっています。風で飛ばないよう蓋が付いており、開くと島の小学生による手作りの栞が登場。これは、海を綺麗にしてくれた人へのプレゼント。素敵なアイディアですね。

海岸で遊んでいるときに出会ったおじさん。バケツを手にしているので、「潮干狩りですか?」聞いたら、毎日この時間にここを掃除しているとのこと。
島人の中には、自宅近くの海を自主的に掃除している方もいらっしゃるのですね。
私は一人ではとても出来ません、頭が下がります。

海遊び

マリンスポーツの天国

与論島の綺麗な海を見てしまったら、泳ぎのスキルに関わらず誰でも海に入ってみたいと思うのではないでしょうか?
人が入れる海岸は約60ヶ所。
島中のほとんどの海岸で、シュノーケリング、スキューバダイビング、SUPなど、たくさんのマリンスポーツを楽しむことが出来ます。
海岸によっては貸し切り状態になることも!思う存分、海の美しさに身を委ねて遊べます。
風の強さや潮の満ち引きによっては波も穏やかで、全体的に遠浅な地形のため、小さいお子様が海辺で遊んでも安心。プールのように透明度抜群なので、潜っても姿が隠れることはありません。

島人の海での遊び方も、人それぞれ

島人は海遊びの達人揃い。遺伝子に刷り込まれているに違いありません。
釣りを楽しんでお夕飯の食材をゲットしたり、干潮の岩礁を渡って潮干狩りをしたり。
夏に誰かのお家の庭先でBBQをしようとなれば、昼間に漁に出て獲物をどっさり持ってきます。8月の伊勢エビ解禁は、みんなの楽しみ♪
狩りの達人は、モリを片手に素潜りで挑みます。陸上をペタペタとペンギンのように歩いているおっちゃんが、海に入ったとたんに人魚のよう。水の中を自由に動き回り、すいすいすい~っと泳いでいく姿には、惚れ惚れします。

海に入らず、砂浜からただ眺めるだけ、というのも楽しみ方の一つ。
光る海を見て、波の音を聴きながら、時間を忘れてのんびりする。
なんて贅沢な過ごし方でしょうか。

島人スタイル

シュノーケリングを楽しむなら、水着にゴーグル、シュノーケル、マリンシューズ、フィンは持っていきたいですよね。きっとそれは、観光客の常識。
島人スタイルは、服を着たまま海にダイブ!です。
夏場は薄手の半袖、短パン、サンダルといった出で立ちになるので、濡れても海中でさほど重たくならず、海から上がったら日差しですぐに乾きます。

中には、ゴーグルをしないというツワモノも!
さぞかし塩分が目に染みて痛かろう……と私も試しに恐る恐る目を開けてみましたが、おやおや?不思議なことに、全く痛くないのです。不純物がほとんど無いからかもしれません。
白砂が舞っている時や、細かい流木やゴミがたくさん浮いている場所では、オススメはしませんが。
この場合、視界はぼんやりするので、ゴーグルを着用する方がクリアです。
最低限、ゴーグルはあった方がいいですよ!
風がある時は水から上がると冷えるので、タオルもご用意ください。

そして、濡れた服のままでの飲食店ご利用はNGです。
マナーを守りましょう。

台風対策と後片付け

身の危険に迫る災害

沖縄や奄美群島は台風の経路。
暴風域が最大の頃に通過していくので、被害は甚大です。
2018年は6月に最初の台風が与論島に上陸し、「こんなに早く来るなんて」と島人を驚かせました。その後も、毎週のように台風に見舞われ、秋には台風28号を迎えるほどに。台風の期間が長く、日常化していました。

内地に住んでいた時に経験した台風は、与論島のそれに比べたらそよ風みたいなもの。
大型の台風は、命の危険を感じます。
看板や屋根は飛ばされることが多いですし、ドアの開け締めの際に手を挟んだり、強風に煽られて転倒することもあります。
被害を最小限に留めるため、窓には雨戸をし、飛ばされそうなものは屋内へ入れるなど対策をします。車のタイヤに崩壊した建物の材木が突き刺さっていたなんて怖い話もありますので、大事なものは外に置かないのが鉄則。

台風の時に旅行に来てしまうと……

晴れてこそ楽しめる与論島。雨だとする事がほぼ何も無いので、台風の時に来てしまうと楽しさ0%です。
避難勧告が出た場合は、体育館などに避難して、固い床で夜を過ごす羽目になるかもしれず、0%どころか楽しさマイナス!もはや苦行でしかありません。
前もって組んでいた旅程と台風がぶつかってしまったら?
悪いことは言いません、諦めてキャンセルしてください!
当然ですが、与論島へのルートは空路と海路のみ。どちらも欠航になる可能性は非常に高く、島に入ることすら出来ないことも考えられます。また、島から出られなくなった場合は延泊する必要があるため、経済的にもスケジュール的にも大打撃。
もし台風の予報が無くても、天候条件により交通手段が急に遮られる可能性は常にあります。与論島にお越しの際は、その後の予定にも余裕を持っておくことを強くオススメします!

台風の後始末

台風が去った後の光景は地獄絵図。
電柱が傾き、電線が垂れて道路に延びることも。屋根が崩壊した建物は、瓦礫で足の踏み場もありません。古い建物は、雨漏りで床一面が水浸しになっていたりと、長い復旧作業の始まりです。
大型台風の時は、島全体が停電する可能性大!
エアコンも冷蔵庫も使えず、電話やスマホの充電も出来ません。島内には発電所があり、中心街から電気が復旧していきますが、島の細部まで行き届くのに数日~数週間かかることも。

天気予報は毎日欠かさずチェックします。会う人、会う人、話題の中心は次の台風情報。気になるのは台風の大きさ(強さ)と速度、風だけなのか雨を伴うのか。
「50年に一度の大雨」と報道された豪雨では、島の中心街の茶花が膝丈ほどまで冠水してしまったほどの凄まじい降水量でした。人的被害が無かった事が救いです。
台風が来るのは仕方の無いことですが、今年は大型台風の直撃だけはありませんように……。

きびかり

ざわわ、サトウキビ畑

島内の至る所では、キビ畑が見られます。
夏の間、サトウキビは強い日差しを浴びて、気持ち良さそうに青空に伸びます。島風にサラサラと吹かれるサトウキビが、夏のヨロンの風景を作っている、と言ってもいいでしょう。
そして冬は、キビ農家さんのクライマックス!島内上げての一大事業!
11月~3月にかけて刈り取り、製糖工場へ運びます。

冬の風物詩「ハーベスター」

昔は全て人の手で刈り取られていたそうですが、現在は「ハーベスター」という専用の機械で、刈り取りから寸断、1トン単位で運搬用のネットに入れる所まで出来るようになりました。

そこまで機械がやってくれるなら、人の手が要らなくて楽なんじゃない?
と思われるかもしれませんが、機械の動きをサポートするのに、人の手はものすごぉーーく必要!
ハーベスターで作業しやすいようにある程度刈って並べたり、収穫中にこぼれ落ちたキビを集めネットに投げ入れたり、運搬用のネットを付け替えたり。
地味な仕事ですが、どれも重労働……っていうか、とにかく腰が痛い~!
時々、機械に弾かれたキビの破片が顔に当たったり、目や口に刈られた雑草が入ったり、もう散々。(マスクとゴーグルが大活躍)
そして、冬とはいえヨロンの日中は日差しが強く、汗だく&土埃にまみれた作業。
島内では高時給の仕事だよー、と誘われて若手が集まりますが、毎年人手が足りていないと言うことは、労働の対価が見合っていないか、ハードすぎて体力が付いていかないかのどちらかでしょう。

そんな過酷な仕事であるが故に、10時と15時のおやつタイムはまるでオアシス!
「これがあるから、やっていけるよね~」
と、日陰に腰かけてお茶とお菓子でエネルギー補給します。
よもやま話に花を咲かせ、疲れが癒えたところで、残りの時間をまた頑張るのです。
一緒に頑張った仲間たちとの結束も強くなり、気がつけば、妙な中毒性が。
やっぱり、汗を流して働くのって楽しいし、気持ちがいい!
来年も頼まれたら、やってもいいかな……。

大人気の「キビざら」
こうした努力の末に作られるのが、黒糖やざらめなどの商品です。
ざらめは「キビざら」と呼ばれ、サトウキビならではのコクと風味があってオススメ。春先から店頭に並びますが、数ヶ月ほどで完売してしまう人気ぶり。
お料理にも使いやすく、島風料理には欠かせません。
私はこのキビざらで作ったコーヒー牛乳が大好きです!
「私が頑張って収穫したぶんも、ここに入ってるんだな~」
と思うと、ちょっぴり誇らしい。

離島ならではの楽しさがあるのと同時に、不便さもたっぷり!
そんな不便さえ楽しめるポジティブさと心の強さがあれば、ヨロンでの日常生活は最高に快適ですよ。
是非一度、遊びに来てみてくださいね。

 

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