女優の宮沢りえさんが、アラフォーのうちに再婚したいようだ、という記事を見かけた。(平成31年4月現在)
そのアラフォーに私もなってしまったわけだが、宮沢さんの場合は既に結婚歴があり、子供もいて、カッコいい彼氏もいてのこと。
私も子供はほしいし、結婚という形ではなくてもパートナーがいたら人生はどんなに楽しくなるだろう?
……と思っていたら、彼氏が出来た!
私たちがどのようにして出会い、恋愛関係に到ったのか、その顛末をお届けします!

ドミノの始まりは、あるご夫婦

私の記事を初めて読んでくださる方々の為に書きますと、現在とある離島に住んでいます。
島に遊びに来られた一組のご夫婦と仲良くなり、
「島を出る時は、ついでにうちに遊びに来てね」
と電話番号を頂きました。
温泉で有名な地域にお住まいとのことで、是非行ってみたい場所だったので、お言葉に甘えてみることに。

(ホントにいいのかな?)
(その場のノリで言ってくれただけかな?)
内心ドキドキしていましたが、連絡すると快く迎えてくださり、なんとご近所さんたちを招いてホームパーティーまでしてくれることに!家族や親しい友人が来た時は、ご近所の仲良しさん方みんなで楽しむのが通例のようです。
ご自宅で仕込んだお料理や、好きな銘柄のワイン、お取り寄せで見つけた逸品を持ちより、4組のお家の方々が集まって賑やかな一時を過ごしました。

当然、私がどんな何者かという話題になり、
「離島に移住して、エステティシャンや整体師をしながら生計を立てていて、近々マッサージの資格をとりに海外にいく予定」
その場にいた全員が「変わった子ね!おもしろ~い」と盛り上がり、変わった子と言われてこちらはモヤっとするような、一笑い取れて内心ガッツポーズするような…。
好きなことをして生きていると人生そのものが話のネタになる。
自分という人間を楽しんでもらえるのは、いいことだ。
こんな無茶苦茶な生活は、独身のうちじゃないと出来ないなぁ、と改めて思っていると案の定、
「ねぇ、独身なんでしょ?彼氏はいるの?」
と聞かれた。
こんな場所だし本音を晒しておこうかと、
「いないんです、探してます!結婚したいし子供も欲しいけど、島で気ままに過ごしたいし、たまに子供と帰ったときに待ってて迎えてくれる旦那さんがいいんです!」
でも、そんな人がなかなか見つからなくて、と即答すると
「うちの子、それでいい!会っておいで~」
と、ケタケタ笑いながら、冗談とも本気ともつかぬセッティングをしてくれたのが、私の彼氏になる人のお母さん。
その場の勢いでデートが決まり、私は未だ見ぬ出会いを楽しみに、ウキウキしていたのでした。

ご夫婦のご友人の、息子さん

人とのご縁は繋いでおくが吉。ただし、よく選べ。
SNSで知り合いの知り合いまで勝手にピックアップされる今の時代、むやみやたらと広がっていく関係に煩わしさを感じることもあります。
だからこそ、自分が誰と繋がりたいのか、どんな人間関係を築きたいのかを自覚しておく必要があるんだと思う。

私の場合は【対面認証ならば可】という概念があり、一度でもお会いしたことがあって、その時の印象が良かったらオンライン上でも交流を持つようにしています。
彼に会ってみようかと思えたのも、お母さんがとても可愛く品があって、
「この人が育てた息子さんなら」
と思えたから。
親同士のお見合いがあると聞いたことがありますが、あれは結婚を前提とするなら、ナイスな企画だと思う。
(本人たち抜きである程度進めてくれるのが、良いか悪いかは別として。)
付き合ってみたものの、相手の両親に会ったら嫁姑問題が勃発しそうな雰囲気だった…なんて、考えただけでもゾッとします。

「お母さん」から貰った彼の番号を片手にお腹の奥が熱くなるのを堪えて、しばらくボタンを押せずにいたのを覚えています。
いつ掛けようか?
なんて話せばいい?
どんな声をしている?
指先には神経がたくさん通っているのを痛感しながらプッシュすると、思いの外早く繋がって、ギクリ。
私から掛かってくるのを待っていたのかな、と過剰に意識して、心臓の音を堪えて話す。
「あ、初めまして。なんか、会うことになりましたけど」
「あ、うちの母がすみません」
みたいな感じだっかも。
彼が日曜日しか休みがないと言うことで、私のスケジュールの合間をぬって、午後2時半から5時半までという微妙な時間に会うことになりました。

実はこのセッティング、一度流れかけていたのです。
あんなにウキウキしていたにも関わらず、見知らぬ人と出掛けるという事が、だんだんと重たく面倒なイベントに感じてきました。
仕事と女子会の隙間の時間に、わざわざ40分も電車を乗り継がなければならず、私は留学直前で準備にも追われていたので、やっぱり帰国してからに…と「お母さん」に申し出たのです。
帰国後も何かと理由を付けて先延ばしにしようかと企んでいたのですが、ホームパーティーに来ていたおじさんが
「いやいや、こういうのは早い方がいいから」
という後押しをしてくれたお陰で、無事に初デートが実現したのでした。

初デートが楽しかった!

彼は私の容姿を知らずに来てくれたのですが、私は知っていました。
「うちの息子、カッコいいの~!ほら」
「お母さん」が満面の笑みで見せてくれたスマホの画面には、親子二人で並んだ旅先での写真が。
(え、親の贔屓目じゃないの)
(服のセンスがイマイチ)
(顔がタイプじゃない)
返答に困り、本心は口が避けても言えないので
「背が高いんですね」
「優しそうな雰囲気が、お二人ともソックリですね」
脳をフル回転させて、当たり障りのないコメントを絞り出しました。

会う予定を流そうとしたのも、好みの顔じゃなかったからというのは一因です。
どストライクのイケメンだったら、何が何でも会いたかったはず。
実際に会ってみたら印象が変わるかも?
と期待したものの、顔も服のセンスも、写真と同じ人でした。
(「ない」なぁ……でも、いい人そう)
大変失礼ながら、メンクイの私はドギマギすることもなく、初対面の男性と散歩するという謎の時間を過ごしたわけです。

が、これがすっごく楽しい!
話すテンポが聞き心地よくて(しかもなかなかいい声)、仕草がキレイで、然り気無くエスコートできて…と、失礼ながら、元々期待していなかったぶん、一緒にいた短時間で彼の株は急上昇。
「私が拾った株は、ファーストリテイリングかSMCだったのか!」
というくらいの優良物件であることが判明しました。

きっと、彼だって、私が大したいい女じゃないから気兼ねなく接することが出来たんだろうな。
だって、この日の私の出で立ちと言えば、ノーメイクにデニムスタイル。
生活拠点を離れて海外渡航直前、ゲストハウスやネットカフェで寝泊まりしている放浪の旅の途中だったので、荷物は極力減らしたいが為に、化粧品はほとんど持っていなかったのです。

この後に友達と飲み会の予定があったので、遅れないようにと見送ってくれた彼の元を離れるのが、もう寂しかった。
[はーちゃん、デートはどう?]
と探りを入れてくるLINEに、
[楽しんでま~す♪今、夕暮れの町をお散歩中]
彼の横を歩きながら、こっそり返信。
女子会へ向かう電車の中で、
[ちょこっとだけ、写メ☆]
茶目っ気たっぷりの笑顔が浮かぶような、可愛いリクエストが届いていましたが、残念ながら写真は一枚も撮っていませんでした。
いつか息子さんと一緒に撮った写真を送れるといいのですが、と心の中で答えました。

3回目のデートでフラれた(?)

私の拠点から彼が住んでいる都市までは、飛行機を乗り継いで丸一日の遠距離。
それでもどうにか、私が島を離れた時は必ず彼と会えるよう調整して、3回目のデートにこぎ着けた時。
そろそろ、こちらは期待もしてしまうのです。
今まで読み漁ってきたネットの恋愛コラムによると、付き合うもキスもベストタイミングは3回目というのが定石。
それくらい会う回数を重ねれば、自分が相手とどういう関係でいたいかの結論も出せるだけの判断材料も揃ってくるものです。

私の気持ちには、もうとっくに答えが出ていました。
会える日が楽しみだったし、何を着ていこうか、どんなメイクにしようかと悩む想いは、恋でしかない。

ところが。
一緒にいる時間、今日はいつもと違う話の展開になるはず、と期待していたものの、最後まで特別な事はありませんでした。
ご飯をたべて、じゃあ、またこっちに来る時は連絡してね…が、これからも延々と続いていくのかしら。
「自分から言えば?」と思われた読者の方、そこは女心を汲んでください。女子は男の人から告白されたい生き物というのは、太古の昔から変わらないのです。
私ばっかり、メイクや服に気合いを入れて、ドキドキソワソワ期待して、こんなのはもう恥ずかしすぎる。頑張っても彼はきっと気づかないし、どうせ恥をかくなら自分から言って、それでダメなら諦めよう。

決心がついたのは、お店を出てから。
「手、繋いでいい?」
と聞くのが精一杯でした。
どんな顔をしたらいいか分からず、彼の表情を伺い見ると、何かを見つけて時間が止まったような目で私を見ている。
「え?手繋ぐの?帰るんでしょ?」
…心臓がえぐられるほどの衝撃でした。
ああ、拒否されたんだ、と頭が理解して、いよいよ恥ずかしくてその場から逃げ出したい衝動にかられました。
ハイ、ワタシ帰ルンデス。
「ダメならいいんだけど。じゃあね」
と言った途端にぽろっと涙が出るのが分かったので、回れ右をして土地勘の無い街へ走って逃げていきました。
暗がりで、彼に涙が見えなかったと思いたい。
語尾が震えたのも、聞こえなかったと思いたい。
3回目までデートが出来たら、後は可愛くして待っておけなんて嘘だった。
というか、万人に通用するわけじゃなくて、私が彼に不足していただけだった。
そーか、そんなに私には魅力が無いのか……。

そもそも既にカップルになっているので、今更悲劇のヒロインぽく書いてしまっているのはいかがかと自分でも思うのですが、この時は失意のどん底だったことは確かです。

自分の想いは面と向かって言葉で伝えないと、思っている以上に伝わらない

結局、異変に驚いた彼が追いかけてきて、電話とLINEで戻ってくるように説得してくれたお陰で、誤解だったと判明しました。
拒否されたんじゃなかった!
手を繋ぎたいと言う私に彼もビックリして、咄嗟にあんなことを言ってしまった、と謝られました。
「なんでいきなり走ったの?」
と聞かれると、私は精神力が底を尽きたおかげなのか、辺りがとっぷり暗くなって泣き顔も見られないという安心感からか、素直な言葉しか出てこず
「私ばっかり頑張って恥ずかしくて、好きだっていうことも伝わってなくて、逃げました」
と白状。その後、彼から
「遠距離だけど、付き合ってみようか」と提案してもらえたので、
「よろしくお願いします」と喜んで受け入れ、ようやく手を繋いでもらうことができたのでした。

改めて彼の気持ちをよく聞くと、彼も私に対して早い段階から好意はあったそうで、私の気持ちもほのかに感じてはいたようですが、
「自分のどこが好かれているのか分からない」
自信の無さから、行動に移せなかったらしいです。自分がどんな反応でも、私が手を握ってくるものだと期待していた、と言うので、そこはもうちょっと私に楽をさせてほしかったのが本音。

草食男子という感じでない彼でもこうなのだから、世の女性たちは、自ら勇気をもって踏み込まないと、彼の気持ちを開けないのかもしれない。
そして、素直に好きだと伝えないと、本当に伝わらないものです。
「ここまでアピールしてるんだから、分かってるはず!」
というのは、本命の彼には期待しないほうが良さそうです。

あの時、セッティングを断ったままだったら……
彼のお母さんに会っていなかったら……
あのご夫婦と知り合っていなかったら……
そもそも、私が離島に移住していなかったら……
何か1つがズレていても、彼に出会うことはありませんでした。
出会いは物事の連鎖の先にあります。
日常の何気ない出来事が、ドミノの始まりなのかもしれませんね。