春ですね。
最近はすっかり日が長くなり、朝晩の冷え込みも緩んできました。冬の間休眠していた多肉植物たちも目を覚まし、徐々に根が成長を始め新芽が芽吹いています。もう一カ月もすれば、待ちに待った成長期真っ只中!!
しかぁし、春を待ちわびているのは可愛い多肉ちゃんだけではありません。多肉植物を始め、全ての植物の天敵『害虫』が活発に活動をし始めるのもこの時期です。特に多肉植物を食い荒らす害虫の代表格は「コナカイガラムシ」。体は小さいながら、それはそれは気持ちの悪い見た目をして、ネバネバの液体を出しながら多肉植物の上を這いずり回るのです。

かつて孫子は言いました。
「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」
にっくきコナカイガラムシから多肉ちゃんを守れるのはあなただけ。まずは敵の正体を知り、やっつけるためにどのようなお助けグッズがあるのか、またどんな行動をすればいいのかをあらかじめ知っておけば、いざという時に適切な対処ができます。
可愛い多肉ちゃんをピッカピカに育てるために、今回はコナカイガラムシの実態と、その対策としてできることをまとめてみました。多肉初心者の皆さん、是非怖がらずに敵に立ち向かって下さい。

※今回はちょっとエグかったり絵ヅラ的に残念な画像がメインになります。

コナカイガラムシとは

コナカイガラムシはコナカイガラムシ科の昆虫です。多肉植物につく害虫にはワタムシ、ネジラミ、アカダニ、ハダニ、カイガラムシなどたくさんの種類がありますが、多肉植物に最も多くみられるのがコナカイガラムシです。
コナカイガラムシは乾燥した環境を好むので、多肉植物やサボテンなどのようにやはり乾燥した気候で育てることが鉄板である植物とは生育条件が似ているのか、ほったらかしにしているといつの間にか発生し、どんどん増えていきます。そして葉や茎から植物の汁を吸い(吸汁:きゅうじゅう)可愛い多肉ちゃんたちを弱らせます。コナカイガラムシが一つの苗に大量発生すると植物は栄養をどんどん吸い取られ、放っておくと最終的には枯れてしまいます。
また、ベタベタの排泄物はすす病の菌が繁殖しやすく、すす病になると光合成がしにくくなるため、葉や茎がすすのような色に黒っぽく変色してきます。
そうなる前に、コナカイガラムシを見つけたらできるだけ数が少なく苗のダメージも少ないうちに駆除することが大切になってきます。

コナカイガラムシの特徴

コナカイガラムシは細かく言えば半翅目コナカイガラムシ科に属する昆虫で、私の経験上その特徴は

・体長1~3mmくらい
・白くて楕円形、よく見るとダンゴムシっぽい足や触角がある
・潰すとオレンジ色っぽい

などです。
始めのうちはゴミかな?ホコリかな?と見過ごしてしまいがちなので、水やりもしていないのに葉っぱにキラキラ粘り気のあるような液体がついていて、白っぽいごみのようなものがついていたら要注意、というかほぼコイツに間違いありません。

ちなみに、カイガラムシという害虫もいてまぎらわしいのですが、こちらはカメムシの仲間で成虫になるとその名の通り表面が貝殻のようにカチカチになり、動かなくなります。それに対してコナカイガラムシの成虫は柔らかい綿毛のようなものに包まれていて、移動することができるのです。この一見綿毛のようなものは、実はコナカイガラムシの分泌物(きちゃないですね~)。こんなものをくっつけながら愛する多肉ちゃんの上をのそのそ動きまわられた日には、はらわた煮えくり返る思いです。
去年の秋、大事に大事に育てていた愛娘、ラブレターちゃんがコイツにやられているのを発見した時は、近所中に響き渡るような悲鳴をあげてしまいました・・・。

ラブレターのカイガラムシ

コナカイガラムシの予防

にっくきコナカイガラムシを予防するのに最も一般的な方法は、ホームセンターなどで売られているオルトランDXを、植え替えの時土に混ぜておくことです。

オルトランDX

私の場合、植え替えは季節の変わり目にまとめてやることが殆どなので、蓋付きの大きめの容器(バケツなど)で多肉植物用の土にオルトランを混ぜ込んだものを大量に作ります。こうして常備しておけば、新しい苗を買って来て植え替える時もすぐに植え替えられて便利なのですが、日にちが立つとオルトランの効果が切れ容器の蓋を開けると中で虫が飛んでいたりするので、作ったものは早めに使い切りましょう。

苗を植えこんだ後も、必要に応じて少量のオルトランを土の上に撒いておきます。時間の経過とともに効果が薄れていくので、2~3週間おきに根元に撒きます。(葉に粒が直接かかると葉を痛めるらしいので注意)

初心者の方は混ぜる割合がわかりにくいかも知れませんが、私の経験ではよほど大量に入れない限り大丈夫みたいです。匂いが結構きついので、やってみれば何となく「これくらいで効きそう」とわかります。ボトルには使用料など細かく書いてあり、ほんの少しの量でも効果はあるようです。

コナカイガラムシを見つけたら

オルトランDXをブレンドした土に植え、定期的に撒いていても、悲しいかなコナカイガラムシは発生するときは発生します。一説では風に乗って運ばれてくるとも言われますが、私は真冬の室内栽培でやられたこともあるので実際どのようにして発生するのかはわかりません。多肉植物を育てるならば季節を問わず環境を問わず、「来るときは来る!」と腹をくくっておかなければなりません。
駆除には色々な方法がありますので、見つけたら状況に応じて躊躇することなく全滅させてください。

駆除方法その1:ウェットティッシュで拭きとる

数が少なく茎や葉の上や裏など比較的取りやすい場所であれば、ウエットティッシュで簡単に取れます。この時注意したいのは、コナカイガラムシを落とさないようにすることです。土の上に落してしまうと、もう一度捕まえるのはほぼ無理。すくうように慎重に取り去りましょう。

駆除方法その2:ピンセットで取り去る

葉の表面や間に潜んでいるコナカイガラムシを、ピンセットで取り除きます。一匹一匹採っていくのでかなり地道な作業になりますが、捕まえてティッシュで潰すたびに快感を感じて日頃のストレスも発散されるので(私だけかな?)時間の余裕がある方にはオススメです。しかしアツくなってこれ以上やると葉を痛めるとわかっていてもやめられなくなる場合もあり、私のように自制心が弱い人には向かないかもしれません。

駆除方法その3:歯ブラシで擦り落とす

そこに大量のコナカイガラムシがいる場合最も手っ取り早いやり方で、かつて私もよくやりました。にっくきコナカイガラムシが歯ブラシひと掃きでごそっと取れるのは、多肉愛好家としては鳥肌ものの快感です。しかしこれは敵が茎や葉の裏にいる時だけに留めておきたい手段。葉っぱの表面を歯ブラシでゴシゴシこすってしまうと多肉ちゃん自慢の白粉は剥げ、ぷりっぷりの葉っぱは傷だらけに。特に新芽に傷をつけるとその葉が成長するにつれ傷が目立つようになり、見るたびに心を痛めることになります。
もしどうしても必要であれば、せめて「やわらかめ」の歯ブラシで、多肉ちゃんにストレスを与えないよう撫でるように、必ずひと掃きで決めて下さい。「いや、オレ(私)はこれじゃないとすっきりしないから」と、間違っても「かため」の歯ブラシなんか使わないでくださいね。めでたく敵を全滅させることができたとしても、多肉ちゃんはこんなになっちゃいますから。(汗)

ハニーピンク

駆除方法その4:鉢から苗を抜いて洗い流す

コナカイガラムシは植物の柔らかい部分が大好きです。特に葉の中央の新芽が密集した場所(成長点)や葉の付け根などの軟らかい部分には目がないようで、ここに大量発生するとピンセットや爪楊枝で採りきるのは不可能です。
また、葉や茎だけでなく根にもコナカイガラムシが喰らいついていることがあります。
こんな時は思い切って鉢から苗を抜き、土を落として水で洗い流すかバケツや桶に水をはって数時間つけておきます。また、葉っぱにこびりついたコナカイガラムシの排泄物は、ゴシゴシ擦るより水につけてふやかしておいた方が取れやすくなります。仕上げに流水かシャワーでコナカイガラムシが残っていないか確認しながら洗い流し(もし残っていたら爪楊枝などでそ~っと取り除きます)日陰でよく乾燥させてからなるべく早く新しい土に植え替えます。

駆除方法その5:害虫駆除剤

ホームセンターに行けば、色んな種類の殺虫剤が売られています。私は今のところ、洗い流したり水につけたりすれば大体解決しているので使ったことはありませんが、詳しい人は色々と使い分けているようです。よく耳にするのが

・スミチオン乳剤(住友化学園芸)
・アクテリック乳剤(住友化学園芸)
・ダントツ水溶液(住友化学)
・マシン油(キング園芸)
・カイガラムシエアゾール(住友化学園芸)

などです。ネットを検索すれば効きそうなものがたくさんあるので、レビューなどを参考に使ってみるのもいいですね。

愛する多肉ちゃんをコナカイガラムシから守ろう!

さて、冒頭で紹介したコナカイガラムシにやられたラブレターちゃんですが、現在の様子はというと・・・。

ラブレター

ちょっと発見が遅れたのと、水洗いの時爪が当たったのか葉に傷をつけていました。しかしその後はコナカイガラムシが再発することもなく、現在元気にベランダの多肉棚で紅葉中です。
コナカイガラムシが発生すると、駆除できたとしても残念ながら新芽が変形してしまったり、葉が落ちて形が悪くなってしまいます。

シュガージェリー

こうなってしまうと元に戻すことができないので、葉っぱがすっかり生え変わるまで気長に待つしかありません。また、一度コナカイガラムシが発生した苗は駆除しても再発しやすいので、常に観察して早め早めに手を打つようにしましょう。
コナカイガラムシは乾燥した状態の植物に付きやすいと言われているので、水やりとは別に植物の活性剤などを薄めて、時々葉にスプレーするのもいいかも知れません。最近では多肉植物専用のスプレータイプの活性剤も出ているので、コナカイガラムシ予防に一役買ってくれそうですね。
コナカイガラムシ被害を予防して、今年も多肉ちゃんたちを元気に可愛く育てましょう!