欧州は格安航空会社(以降LCCとします)の激戦区です。その中でもひときわ存在感が際立っているLCCのひとつがアイルランドに本社を構えるライアンエアー(Ryannair)です。破壊的な低運賃と度重なる遅延などで評判は実に様々ですが筆者もスペインに留学していたときに乗る機会があったので当時の搭乗体験を振り返りながら紹介していきます。それにしても目的地がまたとんでもないところで、破壊的な運賃のカラクリを見たような気分でしたね(笑)。

ライアンエアー

 欧州ではトップランナーとして存在感を良くも悪くも誇るアイルランドを拠点としたLCCです。路線網は大変広く、欧州はフィンランドとスロバキア、ノルウェーなどのごく一部を除いてほぼ全ての国に加えて大陸を越えて北アフリカのモロッコの複数都市(マラケシュ、ナドール、タンジールなど)にも足を延ばしています。アイルランドを拠点としているとは言っても他国で国内線運用に入ったりそのままさらに第3国へ行ったりと欧州のLCCではよくみられるタイプの運用体系を持っています。コストカットの一環として機材は全てボーイング737-800に統一しており(スカイマークも同じような理由で機材を統一しています)、発着空港も主要都市から100㎞以内の地方空港も含めるなど様々な破天荒な策を講じています。その策は破壊的に安い航空券へと還元されるのですがそれはある罠に引っかからなければの話です。

世間の評判は如何に

 低予算で旅行できるのはやはり有り難いことです。その意味でもやろうと思えば往復1000円かそれ以内でも行けてしまうライアンエアーは大変魅力的です。しかしながら好意的に捉えられるのは航空券くらいであとは厳しい目線にさらされているようです。サービスが悪いという声も聞こえますが最低限に抑えてコストカットしているという側面がある以上これは目をつぶらざるを得ないかも知れません。(その点韓国のLCCはサービスが案外しっかりしているので凄いです…)ただライアンエアーはいくつか怖いところがあります。まずは荷物を預けようものならここでたちまち費用が増えます。しかも事前に予約しておかないと当日にいきなり預けようものなら予約したときと比べて費用は数倍にも跳ね上がってしまいます。今では座席指定と預け荷物のパック運賃があるので一定の改善は見られましたし、筆者もこのパック運賃にお世話になりました。航空券も事前に印刷しないとこれもまた大変、いや、大変恐ろしいことになります。というのも航空券を印刷しないままチェックインカウンターに来てしまうとそこで財布が悲鳴を上げる事態になります。そう、印刷してもらうのに高い手数料が数千円クラスでかかります!!こんなことで出費することだけは勘弁です。

 ライアンエアーはよく遅れます。2時間程度の遅延ならまだマシな方です。突然運休なんてことも頻繁にあるからです。しかも運休になったところで代替の航空券が手配されるわけでもなく、それどころか翌日の便に振り替えられたり返金ということもないので(LCCなのでこれは振り替えられなくても致し方ないものです)後で自分で再び手配しなければいけません。破壊的に安い航空券が宣伝文句?のライアンエアーでも前日か当日に航空券を買おうとするとこれがルフトハンザなどのレガシーキャリアも顔負けな高さだったりするものなのです。こうなるとライアンエアーよりも他の会社を使った方が安そうです。
 ここが最もライアンエアーの特徴的なところで、座席指定をしなければ文字通り自由席になります。そのため、搭乗口付近では座席指定をしなかった乗客が順番を巡って静かな攻防戦を繰り広げている光景を目にすることができます。機内はもっと賑やかなもので、座席を巡って文字通り戦争になっているような光景を目にすることができます。なお、座席指定をした乗客については座席争奪戦になる前にプライオリティボーディングということで先に機内に案内されます。とは言ってもボーディングブリッジはおろかバス移動もなくある程度距離があろうと歩く羽目になることが殆どです。

驚きの搭乗経路

アリカンテ―パルドゥビツェ
 Skyscannerという航空券検索サイトでPEDという3桁コードを見たときはどの地名を指すのかすら分からないほどでした。後にチェコのパルドゥビツェを指していると分かりましたがこの街は無名に等しいと言われても仕方がないくらい知名度のない街です。位置としては首都プラハから100㎞ほどしか離れていないのでアリカンテのようなリゾート地としてはプラハと直結してしまった方が早いように思えますが空港使用料などのコストを抑えるためにわざわざこのような空港を使っているのでしょう。2018年3月に新設された路線で、荷物と座席指定のセットで片道6000円で乗ることができました。(ライアンエアーにしてはやや高い方ですが買うタイミングが遅れるとこうなります)飛行時間は約3時間前後で、筆者が利用した当時(2018年3月)はアリカンテを16時台に出発して19時台にパルドゥビツェに到着するスケジュールでした。2019年4月現在ではアリカンテ発が午前中になっています。

搭乗体験

 遅くても2時間前までに空港に着いていないと痛い目に遭うのがライアンエアーなのでアリカンテ空港には14時台に着けるようにしました。アリカンテ市内から空港までのバスは20分おきに出ており、中心部から20分以内で空港に到着します。筆者は預ける荷物があったのでチェックインカウンタ―に直行しましたがそうでなくとも「ビザチェック」というのをされたので非EU圏の国籍の人は問答無用でチェックインカウンターに向かうことになります。しかし筆者が利用したときはところがどっこい、なんとビザチェックをされなかったのです(笑)。果たして無くなったのかそれとも係員がいい加減なだけなのか分からないのですがこの事項については再確認が必要なようです。
 ともあれ荷物を預けた後に言われたのは遅延が発生しているということでした。ここまでは予想通りなのですがアリカンテ空港は一度セキュリティーチェックを抜けると本当に退屈です。最終的に飛行機は2時間遅れたのでそこで3時間過ごすのは苦痛の極みでした。
 前述した通り、筆者は座席を指定していたので先に機内に案内されました。座ってみるとびっくり、思っていたより座席の幅が広いです。(もしかすると日本人にはやや広く感じられるのかも知れません)シートピッチですがこれもまた思っていたより悪くはないものでした。しかし問題は座り心地で、これが40分も経たない内に腰痛?を感じてしまうほど
悪いのです。これは流れる風景を見たり連日の寝不足による眠気に打ち負かされるかしなければ克服できるものではありませんでした。
 夜10時にパルドゥビツェに到着すると文字通り鉄の段ボールにしか見えない小さな空港(元々は空軍基地だったようです)にショックを覚えつつ荷物を回収するとさらに肝を冷やす状況に気が付きます。すでに空港連絡バスの最終の時刻を過ぎているのです。しかし焦ることなかれ、バスは最終の時刻を過ぎても取り残された乗客を回収しに運行を継続してくれました。これには救われたものの列車でプラハへ行こうとしていた人は最終列車に間に合わなかったのでした(笑)。パルドゥビツェ泊にして正解でした。

終わりに

 いかがでしたでしょうか?初めてのライアンエアーで得体の知れない街に行くというのは大変新鮮でしたが、いざ行ってみれば実は注目を浴びないながらも落ち着いたお洒落な街だったので行って良かったと思っています。それでもライアンエアーは恐ろしい要素が少なくないので以降の利用は今のところまだないです。

 

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