妖怪の存在について
皆様は妖怪と聞けば何を連想しますか?日本国内でアニメ化されていた「妖怪人間ベム」や「ゲゲゲの鬼太郎」という作品の中に登場するキャラクターなどが、頭に浮かんだ人も少なくないはずです。さて、幽霊でも珍動物の類でもない妖怪とは一体どんな存在なのでしょうか?
一応、妖怪について色んな出典元から引用しますと、人間の理解を超えた化け物や物の怪と云われる存在や現象のことを示すようです。その妖怪についての明確な証拠や資料が無いとはいえ、人間文化研究機構や民俗学界でも真剣に探求し続けている方は未だに現存しています。
日本の妖怪は三種類
不思議で謎の多い妖怪という存在を知って、筆者が興味を抱いたのは数十年前に遡ります。小学生の頃たまたま図書館で適当に借りた何冊かの本の内の一つに、妖怪図鑑みたいな本があったので何気に読んだことがキッカケです。それから日本の妖怪について意識し始めました。
実に様々な妖怪に関する本や書物を読みましたが、妖怪には大きく分けて三種類あるという結論は出ました。元信仰系の神的存在、児童への教育のために創作した仮想物、実在する特殊生命体、以上の三つです。この記事では、実在する(した)妖怪について書き添えていきます。
人間に敵意のない妖怪
妖怪の中にも人間に対して、悪意のある妖怪とない妖怪に振り分けることができます。残念ながら、アニメの「ゲゲゲの鬼太郎」や「妖怪ウォッチ」のように人間と仲良くなるような妖怪は居ないと推測されます。人間側から妖怪に何もしなければ、敵対しないだけです。
ところが人間に敵意がないどころか、幸福を運んでくれたり有益な情報を教えてくれるという妖怪は目撃談も多く確かに存在します。ここでは、そんなありがたい妖怪も含めて人間に敵意のない妖怪をご紹介します。一度は聞いたことがあるという妖怪が居るかも知れませんね。
座敷童子(ざしきわらし)
この座敷童子という妖怪については、実際に見たという人も多く目撃談や体験談なども数多くあります。東北地方には座敷童子と会えることを売りにしている民宿もあります。座敷童子とは、おかっぱ頭で着物姿の幼い子供です。いたずら好きですが現れる家は裕福になります。
件(くだん)
この件という単漢字は人と牛を合わせたものですが、その件と呼ばれている妖怪の見た目も顔が人間で身体は牛という姿です。件は牛から生まれて間もなく人の言葉で予言したのち数日で絶命します。予言は悪い事象が多く必ず的中するため、人は予め心構えができたそうです。
小豆洗い(あずきあらい)
東北地方や九州の一部地域に出現すると云われている、小柄で舌の長い妖怪です。九州方面では伝承で人を喰らうとありますが、実際は小豆を洗う音だけの妖怪であるそうです。東北では貧乏な百姓が嫁を迎える際に現れて、赤飯を手渡してくれるという伝承が記されています。
化葛篭(ばっけら)
よく昔話にも登場する妖怪で見た目は単なる葛籠(つづら)です。意地悪で欲深い人が葛籠を開けると、妖怪が飛び出してきてエネルギーを吸い取ると云われています。逆に心の優しい人が葛籠を開けると、妖怪ではなく金が溢れ出てくると云う不思議な妖怪と伝承されています。
天狗(てんぐ)
日本で最も古くから伝承され続けている妖怪として名を馳せるのが天狗です。関西方面の山奥に住むとされており、鼻が異様に高くて顔が赤く団扇を手にしている姿が一般的に知られています。軍神の源義経は京都の鞍馬で天狗から武術を教わったという有名な伝記もあります。
人間に悪意のある妖怪
伝承や伝説としての認識が強い妖怪ですが、その妖怪が現れる場所として山や川などの水辺が多いと言えます。それは自然と共に過ごし暮らしているという裏付だと捉えている妖怪研究家も居ますし、日本人は古来より自然にも神や魂が宿るという考え方を持ち合わせています。
さて、ここまでは敵意のない妖怪について記してきました。ここからは真逆で悪意のある妖怪について書き記していきます。やはり、どちらかと言えば人間に対して敵意や悪意のある妖怪のほうが多いと思われます。それでは、その悪意のある妖怪たちを見ていきましょう。
河童(かっぱ)
おそらく日本で最も有名な妖怪だと言ってもいいのが河童でしょう。おかっぱ頭の上に皿が乗っていて、背中に亀の甲羅がある全身緑色系の妖怪です。その皿の水が乾くと弱くなりますが、そうでない時は川で泳ぐ子供や馬を水中に引きずり込んで尻子玉を抜いてしまうのです。
絡新婦(じょろうぐも)
とても美しい女の容姿に化けることで有名な、大きい雌蜘蛛の妖怪です。昔は琵琶を聞かせ男性を誘惑して、大人の関係を終えたのち寝込みを襲い食べてしまうという恐ろしい妖怪です。この絡新婦の体長ですが、成人男性より一回り大きい場合もあり怪力であるとのことです。
轆轤首(ろくろくび)
日本の古典や随筆の題材として頻繁に登場する妖怪で、首が伸びるパターンと首が着脱式のように抜けて飛行するパターンの二種類あると云われています。いずれも見た目は女性の姿で、夜な夜な首を伸ばし人の生き血を吸って飲んだり、人間を襲い殺す妖怪と云われています。
一反木綿(いったんもめん)
この記事の冒頭から書き記しているアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の作中に登場することで有名になった妖怪でもあります。九州地方に現れるという、大きさ一反ほどの薄く平べったい妖怪です。ヒラヒラ飛行していて唐突に人を襲い首や顔に巻き付いて窒息死させる恐い妖怪です。
垢嘗(あかなめ)
人々が寝静まった深夜に、色んな住居へ侵入して風呂場や風呂桶などに付いた人の垢を舐める妖怪です。山林地区の廃墟や荒れた古い屋敷などに潜んでいるとされており、人間への直接的な威嚇や攻撃はしません。しかし、意味不明の行動や気味悪さからも善意は無いでしょう。
人間が妖怪化した伝説
現代では妖怪と位置づけられているモノの中に、元々は人間だったと伝承されているケースもあります。この場合は、遺物や伝記が書き残されていることも多く信憑性が高いとされています。それでは、その伝説とされている人間から妖怪化した例を挙げてご説明していきます。
雨女(あめおんな)
その昔、子供を雨の日に神隠しされた女性が連日連夜、子供を探し続けた数ヵ月後とうとう寒い雨の日に絶命しました。それからというもの、雨の日に泣いている子供のところに大きな袋を担ぐ妖怪が現れ子供を誘拐することがあるそうです。この妖怪のことを雨女と呼びます。
人魚(にんぎょ)
日本で人魚に関する話としては、八百比丘尼という伝説の女僧が有名です。その女僧は漁師の娘だったそうですが、たまたま人魚が獲れた時に人魚の肉を食べれば不老不死になるという話を聞いて、食べました。結果その娘は八百歳まで生き永らえた妖怪として伝承されています。
まとめ
今回は日本に生息している?妖怪について記述させてもらいました。人間に敵意のない妖怪、人間に悪意のある妖怪、人間から妖怪になり伝説化したケースに分別して書き添えましたが、如何でしたでしょうか?聞いたことのある妖怪や既に知っていたという妖怪はおりましたか?
妖怪に関する確かな文献や証拠となるモノは遺っていませんし、科学的な所見でも妖怪の存在については否定的です。ですが、妖怪の出現は瞬間的なモノですし、カメラやスマホが無い時代に証拠は残しにくいはずです。
多数の証言も溢れておりますが、皆様はどう思われますか?