「ビッグ」「レナードの朝」「プリティ・リーグ」などの作品を残したペニー・マーシャル監督がお亡くなりになりました。
女優から監督に転向して成功された数少ない方です。

今から20年くらい前、当時家族がケーブルテレビに加入しており、海外ドラマ専門チャンネルというものがありました。
新旧問わず日本で公開されたことがある海外ドラマが毎日24時間流されており、姉が頻繁にそのチャンネルを見ていました。

海外ドラマはシーズンが続いて長いから…と少々敬遠していた私も、笑い声が聞こえてくるとやはり気になってきて、何か面白いドラマある?と訊いて教えてもらったのが、ペニー・マーシャル監督が女優だったときに主役を張っていた「ラバーン&シャーリー」です。

「ラバーン&シャーリー」概要

1976年から1983年まで続いたシットコム「ラバーン&シャーリー」は、元々は現在映画監督として活躍しているロン・ハワード主演の「ハッピーデイズ」の登場キャラクター達でした。

ペニー・マーシャル演じるラバーンと、シンディ・ウイリアムズ演じるシャーリーの二人が登場するや、多くの視聴者から「あの二人の女の子たち、面白いじゃないか」と人気が出たので、この二人を主演にしたスピンオフ作品が作られたのです。

エグゼクティブ・プロデューサーに、兄であり「プリティ・ウーマン」などの映画監督でもあるゲイリー・マーシャルが名を連ねています。
シャーリー役のシンディ・ウイリアムズは、ジョージ・ルーカス監督の青春映画「アメリカン・グラフィティ」でヒロインを演じて、そのときすでにロン・ハワードと共演していました。

「ハッピーデイズ」の舞台設定に合わせて、このドラマも1950年代のお話になっています。
スピンオフ作品のため、ときどき「ハッピーデイズ」のメインキャラクターがゲストで出てきます。

特にフォンジーというキャラクターは当時凄まじい人気でした。
シットコムなので、観客が見ている前でお芝居がされるのですが、吹き替えから英語に音声を切り替えると、歓声や口笛と共に割れんばかりの拍手の音が響いたときはアメリカでの彼の人気の高さをリアルに感じました。

ロン・ハワードも一度登場しており、ペニー・マーシャルとダンスを踊ります。
観ていた当時もうすでに二人とも映画監督として有名になっていたから「もう見られない貴重映像だね」と姉と笑っていたのですが、ペニーが亡くなって本当に見ることが叶わなくなったと思うと、やっぱり切ない気持ちになりますね。

ちなみにこのダンスシーンを始め、このドラマではペニー・マーシャルの運動神経の良さがあちこちで確認できます。
コメディエンヌとしての才能は、この運動神経も含まれていたと思います。

あらすじ

ウィスコンシン州ミルウォーキーに住むラバーンとシャーリーは高校時代からの親友同士。
アパートの地階の部屋で共同生活をしており(家賃とかどうなってたんだろう…)、仕事もビール工場で一緒に働いています。

同じ工場で配送員として働き、ラバーンたちの上の階に住んでいる困り者のレニー&スクイギーのコンビや、腕っぷしが強くて頼りになるカーマイン、ピザレストラン兼ボーリング場を経営しているラバーンのパパなども巻き込んで、毎回コミカルな日常を1話完結で描いていきます。

特徴として、ラバーンは現実的な考え方をしている反面、シャーリーは夢見がち。
ラバーンはトップスの左肩部分に自分でイニシャルのLを筆記体の大文字で刺繍しています。
そしてコーラの牛乳割りが大好物でしょっちゅう飲んでいて、シャーリーからも時々ツッコまれていました。
一度マネして作ってみたのですが、案の定「やるんじゃなかった」と激しく後悔しましたね(;^ω^)

日常はコミカルな事件に満ちている

大抵のドラマでもそうですが、最初のうちはまだエンジンがかからず、あまり面白いエピソードがありません。
第5話目くらいから、かなり面白くなります。

ドラマの主人公というと、刑事や弁護士などカッコいい職業についていたり、オシャレな女性たちだったりしますが、このドラマの登場人物たちは真逆です。

二人ともビール工場のコンベアー作業員で、同じ服を着回して慎ましい生活をしています。
そんなセレブとは縁遠い人たちだからこそ共感を呼んだのだと思います。

個々のエピソードも日常から遠く離れることはありません。
ダブルデートに行く予定だから身支度を手早く済ませないといけないのに水道が止まってパニックになったり、高級店に冷やかしで入ったら万引きに間違われてラバーンが刑務所に入ってしまったり…

そんな身近でも起こりそうなことから思いがけずドラマらしいコミカルなトラブルを、主演二人がドタバタと元気に走り回って楽しく仕上げています。

面白いエピソードはどれを挙げていいか困るくらいですが、ひとつ挙げるとするなら二人の部屋に空き巣が入った話が特に笑いました。
女装して公園などで強盗を働く怪盗「はみだしオカマ」が犯人です。(翻訳者さんのネーミングセンス…よく思いついたな、と感心しました)

二人はお気に入りの服を盗まれてしまい警察を呼びますが、やってきた警官にラバーンは一目惚れ。
彼にいいとこみせたい、と囮になることを申し出ます。

そしてシャーリーと二人、公園で待ち構えていると、トップスはラバーン・スカートはシャーリーのものを履いた大男が現れます。
そして怖いながらもドタバタしながら犯人を捕まえました。

文章に書くと他愛無いのですが、テンポが良く、息の合った動きと掛け合いが楽しいエピソードです。(全部そうなんですが)
これを見て以来、車を運転中に車線からはみ出して走行している車を見ると必ずといっていいほど「この“はみだしオカマ”めー」と言ってしまいます。
インパクトの強いネーミングがずっと記憶に残ってしまいました(;^ω^)

英語リスニング事始め

海外ドラマ専門チャンネルは、過去に日本で放送されたものを扱っていたので、字幕のものはほとんどなく、吹き替えばかりでした。
当時すでに英語に興味を持っていた私は、ある日このドラマを英語で観ることを思いつきます。

しかし初めて観るエピソードをいきなり英語で観てもまったく分からず撃沈。
そこで、姉が録画しておいてくれていたので、まず吹き替えの日本語で視聴してから、同じエピソードを英語音声に切り替えてもう一度視聴する、というやり方をやってみました。

最初のうちは英語の音に慣れていなくて、ほとんど聞き取れなかったのですが、二人とも明瞭な話し方をするので、少しずつ分かるようになってきてリスニングがとても楽しくなりました。

話す内容も日常の事柄なので有益ですし、何より面白いので毎日飽きずに続けていたら、あるとき「英語を英語のまま理解する」という現象を体感できました。

私が海外ドラマを英語学習に利用した最初のドラマでもあり、からっきしだったリスニング力をグッと上げてくれたドラマなので、その点でもとても思い入れがあります。

まとめ

「ラバーン&シャーリー」で初めて海外ドラマにハマり、その後「ファミリータイズ」「ソープ」「フレンズ」「ダーマ&グレッグ」などのシットコムを観るようになって、現在は普通のドラマも観ています。
というか、シットコム少なくなっちゃったなぁ…

このドラマのおかげで“シットコム”“スピンオフ”など、アメリカのドラマ制作について知るきっかけになり、また面白さも知ることができました。
いつまでも心に残る作品を残してくれたことに感謝が絶えません。

ペニー・マーシャルは私にとって、ずっと明るくて楽しいラバーンのままです。
ご冥福をお祈りいたします。
そして、私の中ではずっと生き続けています。

 

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