気がつけば彼氏(彼女)いない歴〇年、読モみたいに顔もスタイルも良くないし、自分にモテ期なんて来るわけないじゃん!
そう思っているあなた、もしかしてあなたはすでに、人生に3回くるといわれるモテ期の数回を、みすみす見逃しているのかもしれません。モテ期を見極めるのは自分では非常に困難で、人生を振り返ってはじめて「あの時がそうだったかも」と愕然とすることもしばしばです。今回は私自身の経験も交えながら、モテ期の特徴やサインについて、とことん掘り下げてみたいと思います。

モテ期とは

モテ期の定義には諸説あるようですが、ここでは『二人以上の異性から同時に好意を寄せられている』状態と設定しましょう。
「恋愛はしたいけれど異性と親しくするのはどうも苦手、好きになることはあっても告白までは」というタイプ(俗にいうオクテ)の方が、あれよあれよという間にモテモテになってしまうという現象が、ときとして起こります。人生100年時代と言われる昨今、その間に3回くらいそういうことが起こっても、特におかしくはないですよね。

「モテない」からとる行動がモテ期を引き寄せる?

容姿に恵まれている自覚があり、常に異性へのアンテナがバリバリ状態の人は、ネットや雑誌で最新ファッションを研究し、エステに足しげく通ってさらに外観を磨き、積極的に自分の魅力をアピールする人が多いものです。それに対して容姿に自信が持てなかったり、恋愛以外に趣味や仕事など強く打ち込めるものを持っていると、
「そりゃ彼氏(彼女)がいるにこしたことはないけど、自分のことを好きになってくれる人なんてそう簡単に現れないでしょ。他にやることもあるし、別にいっか。」
と、半ばあきらめに似た心境からか異性や恋愛に執着がなくなります。外見よりも内面を磨くことに重点を置くようになるので、異性に対してドライに接する傾向が強くなり、自分は自分と割り切ることで、相手の立場や考え方もそこそこ理解できるようになります。

実は、このような「モテない」と自覚する人の行動パターンこそ、いつモテ期に突入してもおかしくない状態なのです。なぜなら男女を問わず、魅力を感じる異性に共通して見られる特徴は、
「自分をしっかり持っている」
「ベタベタしてこない」
「他人の考えや趣味を受け入れる包容力がある」
「ちょっと手が届きにくい感じ」
など。

逆にドン引きされるのが、
「自意識過剰の上から目線」
「嫉妬深い」
「偏見が強く相手の意見を受け入れない」
「ぶっ飛んだ服装(露出が多い、濃いメイク、あり得ない髪型、派手なアクセサリー)」
などなど。

さて、自分はモテないと思い込み、一人の世界にほのぼの和んでいるあなた。どちらに多く当てはまりましたか?魅力を感じる特徴が多かった場合、あなたはもしかしたらまさに今、モテ期の真っただ中にいるのかも知れません。

実体験から推測するモテ期の特徴

実際のところ私自身、自分の子どもが結婚する年になるつい最近まで、
「私にモテ期なんかあったっけ」
と思っていました。しかし、よくよく思い出すと、ちゃんと3回ありました。

最初のモテ期は小学校6年生の時。見た目も勉強もパッとしない私は、クラスで目立たない存在でした。卒業を間近に控えた3学期、一人の男子が転入してきました。彼はとても小6には見えない170センチ超えの長身でスリム。長く伸ばした前髪で顔の半分を隠していましたが、時折それをかき分けちらりと見せる顔立ちは、少女漫画に必ず出てくるイケメンそのもの。あっという間に女子たちの注目の的になりました。

彼は転入直後から、他にもかわいくて勉強ができる女の子はたくさんいるにもかかわらず、何故か地味な私に「鉛筆貸して」「ノートみせて」「これあげる」と、頻繁に接してきました。(きっと親類の誰かに私に似た人がいて親近感があったとか、そういう理由だったんじゃないかと思います)実際まんざらでもなかったので言われるままに応じていたのですが、その後私に対する壮絶ないじめが始まりました。
というと、焼きもちを焼いた女子たちが集団で私を、という展開になりそうですが、実は全く逆。いじめたのはクラスの人気者で頭も良く、クラス委員をしていた男の子です。ある日突然、私を見ると人が変わったように怖い顔で追いかけてきて、みんながいる前で理由もなく殴る、蹴る、罵声を浴びせる。「かわいそうだからやめなよ」とかばってくれる友達もいましたが、あまりの彼の変貌ぶりに周りもドン引き状態で、目の前の現実を受け入れられないようでした。

彼の暴力は日に日にエスカレートし、最初は素手だったのが掃除の箒で叩いたり、椅子を投げつけてくることもありました。休み時間が怖くてたまらず、授業が終わると同時に追いかけてくる彼を必死に振り切りトイレに逃げ込んでいましたが、ある日掃除の時間に校庭の隅でぼこぼこにされ、私は恐怖で授業が始まっても彼がいる教室に入れなくなってしまいました。廊下にうずくまっていると、例の転校生が呼びに来てくれたのですが、その直後にいじめっ子が飛び出してきて、いきなり私の手を引っ張り無理やり教室に連れて行こうとした時は、パニックになり学校中に響き渡るような大声で泣いてしまいました。

さすがにここまで来ると担任の先生も放っておくわけがなく、私といじめっ子は別の教室に連れて行かれ、彼はこってり絞られて2度と私をいじめたりしないと約束したのです。

その後平和な日々が戻ったのですが、卒業間際に彼に呼び出され、二人きりの教室で「あのときはごめん、好きだったんだ」と人生初の告白をされた時、私の口から出た言葉は「ふざけんな」だったと思います。
これがモテ期だったと思うのは、中学校入学直後、1学年上の面識がない先輩が私に手紙とプレゼントをくれたからです。その時は、「なんでこんなものくれるんだろ?」と思っただけで、普通なら心ときめくはずの思い出に、何故か未だに不愉快な気持ちが伴っています。きっと、いじめ(?)のトラウマがすごいんでしょうね。初めての強烈ないじめ、いやモテ期体験でした。幼すぎたのが惜しい。

さてこの場合、コトの起こりは転校生の登場でした。いじめっ子にすれば、気になっていた相手が目立たない存在で、「特に何かをしなくてもいいや」とゆったり構えていたところ、急にライバルと思しき人物が登場。急接近されて初めて焦りを感じ、自分なりの愛情表現(?)をしたことで、私はひどい目に合った、じゃなくて一度に複数の異性からモテる状態になりました。このことから私は、
「モテ期は環境のバランスが乱れることによって、人間関係に何らかの刺激が生じて引き起こされ、行動に個人差があるため連鎖するように感じる」
と考えます。また、
「モテ期は尋常ではない精神的苦痛を伴うことがある」
ということも忘れてはなりません。その苦痛が強すぎるあまり自分がモテていることに気付かなかったり、さらにトラウマを次の恋愛に引きずることも十分にあり得ます。

2度目のモテ期

2度目のモテ期は結婚する直前でした。当時私は付き合っていた元彼に二股をかけられた挙句にフラれ、仕事も手につかず何週間も泣いていました。見かねた友達が今の主人を紹介してくれて、お互い意気投合してとんとん拍子に半年後には婚約に至ったわけですが、その直後に突然友達関係だった男性から連絡をもらいました。

彼は高学歴のエリートの卵で、私には雲の上の存在でした。気取らない性格は誰からも好かれ、私にも紳士的に接してくれていました。一度だけ二人で飲んだことがあったものの、それらしい空気は皆無。研修でしばらく地方勤務になるといっていましたが、1年近く連絡が途絶えていたので、私は彼という存在すら忘れかけていました。
「ごめんなさい、もう結納も済ませたから、二人で会うのはちょっと」
とお断りすると、彼はひどく驚いた様子で、「ちょっと待って」を連発し、お願いだから会ってと言います。
電話は数日続きました。友達だからやましいことはないとはいえ、こっそり二人で会うのは婚約者にもお互いの両親にも後ろめたくて、私は最終的に彼からの電話を無視することにしました。

それから2週間くらいたった頃、彼から
「幸せになってください、僕もあなたに負けないくらい幸せになります」
と書かれた葉書が届きました。そこには満面の笑顔で、目元にちょっと涙を描いた彼の、自筆のイラストが添えられていました。私はそれが何を意味しているのかさっぱりわからず、友達に相談して葉書を見せると、苦笑いとともに返ってきた言葉が
「それって自慢?」
そこではじめて「そういうことだったの?!」と気づいてびっくりしたわけです。

この経験を通して私が最も強調したいのは、自分のモテ期に気付こうとするとき
「恋愛に関する感性が『鈍すぎる』というのは、ある意味致命的である」
ということです。また、学歴やルックスを気にして自分を低く見積もり、相手にふさわしくないと最初から恋愛対象から外してしまうのも絶対にNG。そういうことを気にするのはほんの一部の人に過ぎないことを、この時私は学びました。

また、モテ期になると複数の異性に好意を寄せられるわけですが、その順番やタイミングの見極めが実に難しい。もしエリート卵の彼がもうちょっと早く連絡をくれていたら、私は今と全く違う人生を送っていたかもしれません。あなたがもし珍しく(失礼)一人の人から好意を寄せられたら、たとえそれが自分にとって好感が持てる相手でもすぐには結論を出さず、暫く様子を見ることをおすすめします。もしかしたら、それは単なるモテ期到来のサインなのかも知れないのです。
番外編ですが、「大失恋をした後はモテ期が訪れやすい」という都市伝説があります。この時の体験から考えるに、それはあながちに作り話ではないような気がします。

3度目のモテ期

3度目はモテ期というほどのものでもないのですが、結婚して子育ても一段落し、ネットで見つけた音楽サークルに入った時です。メンバーはみんな40代以上の家庭を持った人ばかりで半数は女性ですから、軽い気持ちで参加しました。が、最近ではそれほど珍しいことではないものの、実際そこは音楽とは名ばかりの不倫パラダイスサークルでした。

何も知らない私は音楽仲間ができたことに浮かれ、相手かまわず愛想よく接した結果、音楽とは全く関係ないところで目立つ存在になってしまったのです。
新入りはただでさえ目立つのに、他の女性に比べて愛想はいいけど色気はない、やたらと話しかけてくるけど話題は音楽のことばかりとなると、明らかに場違いな人というのはそういう人たちにとって、かえって新鮮に映るのかも知れません。

私は不倫に興味がありません。別に旦那一筋というわけではないし、いくつになっても恋心を持ち続けるのが若さの秘訣であることも知っています。ただ、面倒臭がり屋で根本的に不倫が向かない性格なのです。かつて友人から不倫のアリバイ工作の片棒を担がされ、旦那にばれないよう必死であれこれ小細工をするのを間近で見て、自分がそういうことをしている場面を想像しただけでうんざりしました。

そんな私に複数の男性から連日スマホに届くメールの殆どは「あなたのことを理解できるのは僕だけだ」「あなたは僕の心の隙間を埋めてくれる」など、旦那からも言われたことのないようなクサいセリフや「あいつは○○だから気をつけろ」という男同士の浅ましい足の引っ張り合い。スルーして気まずくなるのも困るので差し障りない内容で短く返していたのですが、中途半端なやり取りで事態はますますエスカレート。これがジャニーズ系の若いイケメンならウハウハでしょうが、相手はみんないいトシしたおじさまばかりで、私はお手上げ状態でした。

当然サークルのお局的女性から目をつけられ、私は「大人しそうに見えて男を手玉に取る遊び女」という烙印を押され、サークル内には重い空気が漂い始めました。面倒臭いマックスに達した私はメルアドを変え、結局半年ちょっとでそこをやめてしまいました。
その直後は「なんであんなところに入っちゃったんだろう」と怒りと後悔でいっぱいでしたが、今にして思うとあの状況が私を含めて全員独身で起こっていたら、さぞかしすごかったんじゃないかと思います。

ご参考までにここで学んだことを挙げると、
「場違いなところにいるだけで、大人しくしていても目立つ(モテるきっかけになる)」
「愛想は良くてもなかなか落ちない女はモテやすい」
「その気がない態度は時として異性に魅力的に映る」
「重いメールに中途半端な返信をすると、相手は余計その気になる」
などなど。

最近では信頼できる企業さんが主催する出会いや婚活の場が、ネットでたくさん提供されています。恋愛と不倫はベツモノと考える私ですが、出会いがなければモテ期もきません。素敵な恋愛や結婚がゴールになるなら、どんどん利用していただきたいものです。

モテ期は年齢や状況に関係なく訪れる

モテ期というと、周りがおおっぴらに恋愛をし始める年代になって、はじめて来ると思っている人が多いのではないでしょうか。また、「このトシになって、そんなことあり得ない」とも思いがちです。しかしモテ期は自分の都合のいい時に、都合のいい形で来るとは限りません。

自分の経験から思うに、モテ期は年齢や状況を問わず思いがけなく訪れるようです。そしてモテ期には必ず何らかの予兆や発端となる原因があります。日頃から自分を磨きつつ、くれぐれも私のような鈍い女にならないよう、時々恋愛アンテナのサビ落としもしておいて下さいね。