C62形蒸気機関車は、かつて東海道線の特急「つばめ」などを牽引したことで知られています。その2号機であり、除煙板にとりつけられたつばめのマークにちなみ「スワローエンゼル」と呼ばれる蒸気機関車(C62-2)が、定期検査を終えて2018年11月4日に約1年半ぶりに京都鉄道博物館に帰ってきました。その復帰セレモニーをレポートします。

約1年半ぶりに復帰!C62形蒸気機関車2号機とは?

C62形蒸気機関車は、戦後日本の主要幹線で特急を牽引したことで知られる蒸気機関車です。

C62形蒸気機関車は、戦前からあったD52形蒸気機関車を改造し作られました。C62-2はその2号機として、3号機、4号機とともに自動給炭機(メカニカルストーカー)の試作機として日立製作所で製造されています。

一般的に蒸気機関車と聞くと人が石炭をボイラーに入れている姿を連想する人が多いことでしょう。しかし、人力による給炭には、どうしても限界があります。

C62形蒸気機関車は、高速で走る特急列車・急行列車の牽引を目的として作られました。高速で走らせるためには、人力による給炭では不十分です。そこで自動給炭機が設置されたのです。

C62形が牽引した主な特急には『つばめ』や『かもめ』、それから寝台特急の『みずほ』『あさかぜ』『はやぶさ』、急行『きりしま』『大雪』『ニセコ』などが挙げられます。

「スワローエンゼル」の由来

C62-2は、「スワローエンゼル」という愛称でも知られています。その由来となったのは、蒸気機関車の左右にある「除煙板」に取り付けられたつばめのエンブレムです。

昭和23年にC62-2が製造されたときには、まだこのエンブレムは取り付けられていませんでした。エンブレムが取り付けられたのは製造の3年後、昭和26年のことです。ちょうどこの頃、特急『つばめ』には新しい客車が導入されることになり、それに合わせて牽引するC62-2にも装飾性が欲しい、という要望がC62-2を運用する宮原機関区から出てきます。その要望を受けて取り付けられたのが、このつばめのエンブレムでした。

ちなみに、C62形蒸気機関車18号機にもつばめのエンブレムがつけられていましたが、こちらはすでに廃車になっており、現在見ることはもうできません。

C62-2以外のC62形蒸気機関車

C62形蒸気機関車は49台製造されましたが、現存するのはそのうち5台のみです。そして、その中でも唯一動態保存されているのが2号機、つまりC62-2です。

それ以外のC62形蒸気機関車は、京都鉄道博物館にC61-1とC62-26が、JR北海道の苗穂工場にC62-3が、名古屋のリニア・鉄道館にC62-17が保存されています。

「おかえりC62-2復帰セレモニー」の様子

C62-2は、定期的に検査を受けて動ける状態を維持しています。2017年に一旦検査のため京都鉄道博物館を離れ、2018年11月4日、約1年半ぶりに戻ってきました。京都鉄道博物館では、「おかえりC62-2復帰セレモニー」を開催し、その様子をファンにお披露目しました。

2番車庫で出番を待つ

セレモニーが行われたのは、京都鉄道博物館内の扇状車庫前転車台です。C62-2は2番車庫でセレモニーの時間まで待機しています。

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転車台に登場!「つばめ」のヘッドマーク装着

セレモニーの時間がやってきました。汽笛を鳴らし、C62-2が転車台へと移動してきます。

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かつて牽引した特急『つばめ』のヘッドマークを装着します。このヘッドマークは実際に使用されていたもので、京都鉄道博物館にて大切に保管されていた貴重なヘッドマークです。

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転車台でお披露目

『つばめ』のヘッドマークをつけたあとは、転車台をぐるりと数回回転させて周囲のファンにその姿をお披露目しました。

親子連れから鉄道ファンまで老若男女たくさんの蒸気機関車ファンが集まっています。熱心なファンが切るシャッター音が何度も響いていました。

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何回か回転したあとは、転車台を止めて撮影タイムです。小さな子供がC62-2をバックに記念撮影をしていたり、鉄道ファンが夢中で撮影をしていたりしました。蒸気機関車の人気の高さが改めてうかがえます。

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SLスチーム号として客車と連結

ひととおりお披露目をしたあとは、京都鉄道博物館内を走行する「SLスチーム号」として客車と連結します。

転車台から出て、ゆっくりとSLのりばに移動すると、作業員の誘導に合わせて慎重に客車に接近。無事連結しました。

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11時からの走行に向けて「SLスチーム号」の乗車券販売もスタートしました。乗車券を購入した乗客がどんどん客車に乗り込んでいきます。

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汽笛を響かせ、いざ出発!

「SLスチーム号」の運行時刻表がやってきました。

「SLスチーム号」は、京都鉄道博物館内のSLのりばを出発し、JR山陰線の鉄道と並走するようにして伸びる線路を走行します。その距離は往復でわずか1kmほどですが、本物の蒸気機関車が牽引する客車に乗れる貴重な機会として人気のコーナーです。

SLスチーム号の線路はのりばを出発後すぐ、JR山陰線の線路の下をくぐります。そのため、タイミングがあえば、電車と蒸気機関車が交差する光景を見ることもできます。

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「SLスチーム号」として走る蒸気機関車には、C62-2のほかC56形蒸気機関車160号機、C61形蒸気機関車2号機、8620形蒸気機関車8630号機の合計4台の蒸気機関車があります。どの日にどの蒸気機関車が走るかは、当日、京都鉄道博物館のインフォメーションで確認することが必要です。

C62形蒸気機関車をたっぷり楽しめる京都鉄道博物館

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最後に、C62-2「スワローエンゼル」を見ることができる京都鉄道博物館について紹介しましょう。

京都鉄道博物館は、京都駅から西へ徒歩約20分のところにあります。最寄り駅は2018年現在はJR京都駅もしくはJR山陰線丹波口駅ですが、2019年春には博物館のすぐ目の前に、新駅・梅小路京都西駅が開業予定です。開業すれば、ここが最寄り駅となります。

開館時間は10~17時、入館料金は大人1,200円、大学生・高校生1,000円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円で、「SLスチーム号」に乗車する場合は別途大人300円、子供100円の料金が必要です。

また、10時の開館には休日はほぼ確実に待ち列ができています。平日でも、場合によっては待ち列ができていて、入館チケットを購入するのに少し待たなければいけないケースがあります。

朝一番から待たずに入り、たっぷり展示を堪能したい場合は、みどりの窓口や、セブンイレブンのマルチコピー機で前売り券を買うことができますので、それを用意しておくことをおすすめします。なお、前売り券であっても特に割引はありませんのでご注意ください。

まとめ

C62形蒸気機関車は、映画やドラマ、漫画などにもよく登場する人気の高い蒸気機関車です。「おかえり C62-2 復帰セレモニー」は、そんなC62-2に対する多くの人の思いを改めて感じることができました。蒸気機関車に興味がある方は、ぜひ一度、京都鉄道博物館に足を運んで動く蒸気機関車を見て、蒸気機関車が牽引する客車に乗って楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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