日本国内に限らず、現代では数多くの種類の仙術が存在しています。そんな中でも最近、改めて注目されてきている占術が、数秘術というものです。その数秘術を簡単に説明しますと、この世に命や魂の在るものの全ては、数の法則によって影響を受けているという考えを基に、数を用いて生み出される占術です。
数秘術は、個人が先天的に持ち合わせている能力や運勢、生を受けた意味、過去からの因果などの全てが数の法則に基づいていると考えます。つまりは、この世の全てのものが数による支配を受けているのなら、どの数に支配されているかが判ると、計算式で運命や宿命などを占って認知出来るということです。
ピタゴラス式とカバラ式
数秘術にも幾つかの種類が存在しています。その中で、最も有名であり用いる人も多いのがピタゴラス式とカバラ式です。数秘術そのものは、ピタゴラスが基礎を築いたとされています。その基礎的な数秘術に、カバラの神秘思想が強く盛り込まれて発展した占術がカバラ数秘術というものです。
一方、ピタゴラス数秘術は別名で数秘学とも呼ばれております。この二つの数秘術で異なる点は、まずカバラ式の数秘術にはマスターナンバーというゾロ目が在ります。ピタゴラス式の数秘術には、ゾロ目が存在しません。また、ピタゴラス式とカバラ式とでは数字の持つ色も異なっております。
ピタゴラス数秘術の起源
古代ギリシャにおいて、三平方の定理で有名な数学者ピタゴラスが紀元前六世紀頃に、数秘術という占術を発案したのが起源だとされています。ピタゴラスは自分の教団を主宰して、数百人の団員と共に生活していました。この教団は原始共産制であり、入団する際には全財産を教団に寄付していました。
ピタゴラス教団内で得られた知識や学問は、決して外部に漏らしてはならないという決まりがありました。そして「この宇宙は数によって支配されている」というのが、ピタゴラス教団の信条でした。万物は数なりという教団全体の思想や使命感も高まり、数秘術は完成したとも云われています。
ピタゴラス数秘術の占い
ピタゴラス数秘術の占い方は、とても簡単なものと思われます。何故かと申しますと、特に複雑な計算式がある訳でも無く、生年月日に含まれる数を見て個性の判断が出来る占術だからです。従いまして、生年月日の数と占い結果を見比べるだけで、個性や長所を計ることが可能となっています。
ピタゴラス数秘術で占う計算法ですが、一般的には西暦で表示した自身の生年月日の数字を、一つ一つ足し算していきます。例えば、1982年1月1日生まれの人でしたら、1+9+8+2+1+1=22となります。その最後の22という数字も2+2と足し算すれば結果は4となり、それが自分の運命数となるのです。
ピタゴラス式数字の意味
ピタゴラス式数秘術の数の法則にありますのは、0を含まない1~9までの一桁の自然数です。数秘術では、その一桁の数字をルートナンバーと呼んでいて、全ての数の基本となる数字だと考えています。ルートナンバーには、固有の数秘術的な意味合いがあり、概ね以下のような特徴に分別されます。
1 開始・独立・革新・男性原理・筆頭者
2 調和・結合・協力・女性原理・人間関係
3 陽気・感覚・真実・楽天主義・独創的表現
4 堅実・造形・実質・理路整然・真面目
5 多才・変化・移行・反射神経・進歩的
6 平等・育成・自力・公私両立・均等性
7 分析・調査・科学・孤独主義・神秘性
8 権威・財力・組織・自己制御・物質的価値
9 変容・寛大・終焉・潜在意識・完全性
数秘術占いで出来ること
ピタゴラス数秘術は単に占いという枠内に留まらず、学問的な側面もあります。人の生きる様子やパターンを研究し、より深く考察しようという学問です。数秘術は数学と共に発展し続けてきた学問でもあることから、運命の解読法とも言われております。その数秘術によって出来ることを下記の通り纏めました。
魂の目的を知ることが出来る
自分の誕生日と名前によって、今まで自身でも気付いていなかった情報が得られます。これから進むべき方向、魂が自身に求めていること、生まれ持った素質や能力、本来の性格や運命、隠された才能や最終目的地などを知ることも出来るのです。
人生を計り知ることが出来る
数秘術の数字を読み解くことによって、人生における大きな流れや、その時期ごとに発生する特有のエネルギーは、一体どういったものなのかを理解することも出来ます。そういったことが事前に分かるため、人生を計り知ることが出来る訳です。
様々な人との相性を見られる
自分から見た恋人、夫婦、子供、両親、友人、知人など、近い存在の人の誕生日と名前から、自分との相性や関係性も見られるので、より良い関係になれる解決策も得られます。対人関係の良化にも役立つので、数秘術は需要度が高いのでしょう。
モダンヌメロロジーとは
数秘術はヌメロロジーとも言われており、現代版の計算方法を用いたものはモダンヌメロロジーと呼ばれています。占う人の生年月日と氏名から個人のナンバーを算出して、その人の特徴や性質を表現するために活用されることが多いです。数秘術は占いだけでなく、個々の本質を診断したり色々と応用出来ます。
例えば、会社などの組織内における分野でも数秘術を活かすことが可能です。個人の得意分野や苦手なこと、適性や相性なども把握出来ますので、組織運営に役立つ側面も多々あるでしょう。ちなみに、メインの数字はライフパスナンバーと呼ばれていて、その人の生活パターンや行動原理を示すものであります。
数秘術の根拠は何処から
どの占術にも言えることですが、数秘術において表わされる数字の意味合いは、科学的な根拠は無く統計的なデータとして算出されているものと考えるべきです。数字そのものに力や意味が存在しているという考えでは無く、算出される一定の数字と当てはまる人の共通点があるという認識のほうが良いでしょう。
その認識についての例ですが、仮に血液型占いでの結果がA型だとします。大抵の場合、A型を占い診断した際は几帳面と記されていますが、A型の人なら必ずそうだとは限らないはずです。他の血液型から見れば何となく納得出来るという程度です。それと同様に数秘術占いの結果も受け入れるといいでしょう。
まとめ
今回は、ピタゴラス式の数秘術について記述させて頂きました。数学的に理論上存在してしまう数字など、現実とは距離感がありますけど数学の世界では成立します。足し算にも前提がありまして、数秘術の計算方法は従来通りの1+1=2という計算式です。と言いますのも数学者によっては、1+1=1になることもあるからです。
確かに2人の人間が1つに融合した場合は1人ですしね。とにかく…数学を奥深く追及しようとしますと、ある種の神秘的な魅力のようなものにハマって、抜け出せなくなりそうな感覚があります。それでは、取り留めのない話になりましたが、くれぐれも数秘術を用いて占う場合は、参考程度に留めておくようにしてください。