与論島には、名前が付いている海岸が60箇所。
遊泳できる海岸が多い一方で、泳ぐのには向いていない場所も。
第三回目は、ヨロンの秘境と言えばココ!「はみご~」
◇名称:はみご~
◇住所:鹿児島県大島郡与論町立長
◇特徴:
・駐車場があるので、ドライブ中にも立ち寄りやすい
・行くまでがちょっとした探検
・砂浜は無く、断崖絶壁
・夕日は綺麗に見える(はず)
◇名称の由来:
詳細は不明。
ゆんぬふとぅば(ヨロンの言葉)で「ご~」というのは「水が湧き出すところ」の意味がある。
(井戸を「こ~」と言う)
◇オススメ度 ★★★☆☆
◇海岸の広さ ★☆☆☆☆
◇メジャー度 ★★★★☆
◇アクセス ★☆☆☆☆
立ち入り注意!?海岸までのルートは探検そのもの
島の人なら誰もが知っていながら行く人がほとんどいないのは、砂浜で遊べる海岸では無いから。
更に、車を停められる場所から先は藪をかき分けて進みます。
観光客は誰かに連れていってもらわないと、まずたどり着けないでしょう。
大体の場所は地図に載っていても、道標も入口も無い。
まさかこの先に海岸があるとは思えぬ道なき道(よく見るとあるんだけど)を往きます。
先人たちが設置した手すり替りのロープはたるんで心もとないし、ジャングルみたいに生い茂る植物たちがチクチク痛い。
ふと見ると、服には引っ付きムシがいっぱい。
素足を出していると、擦れて痒い。
与論島に山は無いけど、奥深い山の中に迷い混んでしまった感覚。
ヨロンの中でもマニアックな場所に行きたい!という人には喜ばれるかな?
いや、「来るんじゃなかった!」と後悔するかも?
でも、ちょっと勇気と好奇心のある誰かを連れていきたい場所なんです。
この探検ツアー目的地は、困難を乗り越えても行くだけの価値がある、なかなかの景色が広がっているのです。
西向棚で「はみご~あしび」
「わぁ、海に出た!」
片道ものの10分程度とはいえ、ジャングルをかき分けて、狭い岩穴に潜り、光が見えると嬉しいもの。
都会にいると経験できない(ヨロンで普段生活していてもできない)ちょっとした冒険の宝物は、この眺め!
はみご~は、大きな岩に出来た天然のトンネルです。
絶壁にダイナミックに打ち寄せる波を肌で感じられて、自然の大きさとか怖さに圧倒されます。
穏やかなヨロンの海を見慣れていると、ハッとする光景。
ヨロンにも、こんな海があるんだ。
このトンネルの、海に面した広場は「西向棚(いーむっけーだな)」と呼ばれていて、古くから親しまれてきた場所。
旧暦の一月五日(現在の新暦の二月中旬)、未婚の若い男女が集まって、三線を弾き、唄い、踊ったとされています。
現代の婚活パーティーですね!
「はみご~あしび(遊び)」と言います。
戦後しばらくまで続いた風習で、ここ数年間では町を挙げて老若男女が集う宴会を開催していました。
さすがに西向棚までの道を全員が移動するのは大変なので、ジャングルに入る手前のコンクリートの駐車場でテントを立て、持ちよりのお料理やお酒で交流していました。
ちょっと足を伸ばして「プーさん岩」
はみご~へお越しの際には、この駐車場から少し先へ進んでみましょう。
道の果てに、どどーんと「プーさん岩」と呼ばれる巨岩があります。
ディズニーのくまのプーさんが、海を向いて黄昏ているように見えるのです。
視線の先は、沖縄北部の辺戸岬。
プーさん岩までの道には、かつて風葬が行われた場所があります。
レンガが積まれて塞がれている洞穴があり、岸壁には骨壺も。
あの奥、あれら中には、ヨロンのご先祖様が眠っているんだなぁ。
ここは、黄泉の国(西)を臨む、神聖な場所なんですね。
(霊感がある人は近寄らない方がいい?)