二階堂ふみさん主演で11月に映画公開を控えている漫画「生理ちゃん」。
予告編を観ただけで原作のマンガのほうも読みたくなり、見事にトリコになりました。
もう朝も昼も夜も生理ちゃんで頭がいっぱい。
ドラマ「あなたの番です」を観ながら(Huluイッキ見)、田中圭さんの顔が生理ちゃんに見えてくるようになってきて、完全にビョーキです。しかも末期。

「生理ちゃん」概要

Webサイト「オモコロ」に掲載されている小山健さんのオムニバス・コメディです。
タブー視されている女性の生理をキャラクター化したことで、普段女性たちが周りに言えずにいる生理中の辛さや苦労を分かりやすく伝えて共感を呼びました。

男性にも読んでほしい、という声も多く、あっという間に人気作に登り、映画化された他、手塚治虫文化記念賞<短編部門>を受賞。
現在は商業誌「コミックビーム」でも連載され、オモコロよりひと月分早く読むことができます。

作者の小山さんは正真正銘の男性。
なぜ女性の気持ちや苦労がこんなに分かるの!?と驚かれることが多いそうですが、男性だからこそ生々しくなりすぎない視点でのコメディが作れたのではないかな、と個人的に思います。

ストーリーライン

毎回主人公となる女性が変わります。
彼女たちの元にやってくる生理ちゃんも、姿かたちは同じで、性格的な面も似ていますが別個体。
生理ちゃん同士で顔を合わせることもしばしば。
ETよろしく指と指をつけて挨拶したりします。

生理ちゃんがやってきたときの女性の状態や、その周囲の人たちとの関係に変化が生じるようなストーリーになっていますが、時に生理ちゃんではない何かがやってきたり、生理ちゃんが長期休暇を取るお話もあります。

キャラクターになっているのは生理ちゃんの他に、男性の元に不意打ちでやってくる、形がキケンなオバQのような見た目で、登場するたび卑猥な単語を呟く“性欲くん”、女性の元には肉感的(でもセクシーじゃない)な“性欲ちゃん”、未経験の男性に付き添っている、清らかな小学生のような瞳でランドセルを背負っている“童貞くん”などがいます。
生理ちゃんが一回り小さくなった見た目で頭に大きいリボンをつけた“初潮ちゃん”や、丸々して可愛い外見ながら生理ちゃん以上の鬼畜ぶりで嫌がらせをする“PMSちゃん”なんかも登場。

一見ギャグ漫画かと思えるのですが、意外と考えさせられる良い話が揃い踏み。
特に、日本初の使い捨て生理ナプキン“アンネ・ナプキン”を開発した人たちの話は、ラストシーンの余韻も含めて非常に人気が高い話になっています。
他にも、江戸時代には「月経小屋」なるものが存在していたことも初めて知り、勉強になりました。

生理ちゃんの魅力

生理ちゃんは月に1回、アポなしで急に訪問してきます。
「今は困る」と言われても、女性側の事情など、まったくお構いなし。
容赦なく生理パンチを下腹部にお見舞いして生理痛を起こさせ、睡眠ガスやクロロホルムで眠気を起こさせます。

こんな嫌がらせをしてくる生理ちゃんですが、実は自分が担当する女性を大切に思っているんですねコレが。
理解がない男性や、女性が体を休ませているときにムラムラした男性の元にやってくる性欲くんを、生理パンチで撃退したり改心させます。

「くる前の生理ちゃん」という巻で、女性が生理中ではないときの生理ちゃんの日常が描かれているのですが、このときも普段から女性のことを考えていることがよく分かります。

銭湯に行けば「一緒に来たいもんだなあ」と、叶わない望みを言ったり(生理中の女性は銭湯や温泉は行けません)、四つ葉のクローバーを見つければ「あの人にあげよ」と喜ばせようとしたり、いじらしくて愛おしくなります。
ちなみに浴槽に浸かっている生理ちゃん、ほっぺ赤くなってて、この顔も可愛い。

男性が「女性は生理があるから大変だよね」と言うと「大変なことを、生理を理由にできないのが大変」と返すなど、名言が多い生理ちゃん。

でも私がすごく好きなシーンは、無理なダイエットをして6ヵ月間生理ちゃんが来なくなって倒れたカフェ店員の子の元に、生理ちゃんが天井を壊して駆けつけ、急いで病院に運んで、そして目覚めた彼女に無言でビンタしたところです。

言わなくても分かっている信頼と、心から彼女を心配していた生理ちゃんの優しさが無表情の中からも伝わってきます。
生理ちゃんかわいいよ生理ちゃん(;´Д`)ハアハア
まあ、その後、失恋した彼女が「ただでさえツラいから生理パンチ手加減して」と頼んだのに、にべもなく「ダメ」と言い放つ鬼っぷりでしたが…(;^ω^)

こんな健気さがあるから、ちょっとキモチ悪い見た目も、どんどん可愛く見えてくるのです。
プクプクしたハート型の頭にタラコくちびる。
パッチリした目は可愛いけれど、ときどき上すぎる場所に描かれ、鼻は十字型。
レギンス(たぶん)を履いているのでエガちゃんみがあります。
ピンク色のボディに赤のレギンスでインパクトも大。

しかも食いしん坊。
沖縄旅行中に険悪になってしまったカップルのシリアスなケンカを、コーヒー片手にちんすこう食べながら眺めてるとか、ナプキンを買うためにドラッグストアに寄る女性に「お菓子も買おうよ」とおねだりするとか、萌えすぎる。
初潮ちゃんも、女の子の分のお赤飯食べるし、なんかキャラクターとか動物って、図々しいところも可愛いんですよね。
人間だったら絶対嫌われるのにズルいわ。

絵柄がマッチ

小山さんの絵は、タブレットペンをササッと動かした感じで、一見すると子供が描いたようにも見えます。

だけどフリーハンドで描かれた背景はキチンとパースが取れていて状況が分かりやすいし、細かく書き込まれた小物類も、特徴をとらえているので何を描いたものなのかがすぐに分かります。
人物も表情豊かでポーズそのものにデッサンの狂いはありません。
サラッと流す感じに描いているから、指の太さがマチマチになっていたり、肘や膝の関節部分が丸くカーブしていたりはしますが。

下手な人が描いたと見せかけて、実は絵がかなり上手い人なんですね。
イラストレーターが描くような写実的な背景を、漫画的な線で表現し、人物やキャラも漫画の雰囲気に合わせている感じです。
この上手さをユルい感じにオブラートさせて描いているので、生理ちゃんの作品世界がほのぼのとした印象になっているのだと思いました。

どこか絵本のような温かさと可愛さがあるんです。
生理パンチとか容赦なく痛そうなのにも関わらず(;´∀`)
元々こういう作風だったのでしょうが、リアルな絵が描ける人が、「生理」というタブー視されてきたものを、多くの人に理解してもらうのに、とっつきやすい絵柄で作品内容とマッチさせたようにも思えます。
小山さんの絵柄だから「生理ちゃん」はヒットしたことに間違いないです。

まとめ

ただいま子宮内膜症(チョコレート嚢胞)で、投薬するか手術するかの選択を決めかねている状況で出会った「生理ちゃん」。
昔から重くて痛くて辛くて、挙句にこんな病気になって「生理なんていらないよ」と憎んでいたのですが、生理ちゃんが来ていたと考えたら、完全に無くなるのが寂しく思えてきました。

実際に生理ちゃんがそばにいて話し相手になってくれていたら、と考えてしまいます。
笑いながらも、寂しさと温かさを感じる漫画で、出会えてよかった作品です。

映画は11月8日に公開予定。
実写…? 生理ちゃんは着ぐるみ…?
どう考えてもB級映画で終わる気しかしないけど、かなり楽しみにもしています。
映画館まで足を運んで、グッズもあったら買い込んでしまいそうです。