LCCの就航で台湾は時間や距離のみならず経済的にも近くなりました。台北や高雄なら行ったことのある方が多いと思いますが今回紹介する蘇澳(スーアオ)は多くの方には聞きなれない地名かと思います。筆者は台湾東海岸は今回紹介する蘇澳が初めてだったのですがあまりにディープなエクスペリエンスにすっかり虜になってしまいました。それでは蘇澳を散歩してみましょう!

蘇澳鎮へのアクセス

ここでは台北・宜蘭方面から行くことを想定して紹介させていただきます。最も手っ取り早い方法は鉄道で、台北駅から区間車(普通列車)の宜蘭・羅東経由蘇澳行が運行されています。全区間を区間車で乗りとおした場合は3時間前後になりますが場合によっては自強号で羅東まで乗車してそこで区間車に接続した方が早い場合もあります。
バスで台北から目指す場合は台北バスターミナルから羅東まで乗車してそこで蘇澳行バスに乗り換えます。以上が蘇澳へ行く場合です。
蘇澳鎮には南方澳(ナンファンアオ)が蘇澳の少し南のところにあり、南方澳については台湾高鐵の始発駅である南港駅から直通バスが運行されています。蘇澳からは1㎞の徒歩かもしくはバスです。

蘇澳冷泉

冷泉
 蘇澳は温泉、ではなく冷泉で有名なのですがこの冷泉というのがなんと世界的に見てもレアな類の冷泉です。というのもここは炭酸冷泉であるためで、週末になるとこれを目当てに地元の方のみならず台湾各地から少なからぬ観光客が湯治するような感覚かどうかは分かりませんが訪れます。一口に冷泉とは言っても上の写真のような足湯タイプのものと水着着用のものが主にあり、後者については水泳帽の着用も必要です。
冷泉
 阿里史冷泉についてはさきほど述べた2つのどちらにもあてはまらず、日本で温泉に入るような感覚で入浴します。ここは夏季などを中心に無料開放していることがあり、筆者が訪れたときは幸運にも無料でした。入浴している間は確かに目が覚めるような冷たさですがあがると不思議にもポカポカになるのでとても気持ちいいですよ!
 冷泉以外だと蘇澳の名所はあまりなく、店も閉まるのが衝撃的に早いので冷泉につかる以外はあまりすることがないので南方澳まで南下しましょう!

南方澳はディープな漁師町

蘇澳から南方澳までは1㎞なので徒歩でも問題なく行ける距離です。名所についてはむしろ蘇澳鎮の中でも南方澳の方が多いくらいでしょう。
漁港
 南方澳漁港を情人橋(2019年10月現在崩落事故に見舞われたため、通行不能)から撮ったものです。左側に造船所が軒を連ねており、後ほど紹介しますが右側には魚市場があるという賑やかな漁師町とでもいったところです。懐かしい台湾は台南だけではなかったようです。
漁港
 漁港の向こうに色鮮やかな寺院があります。中には入っていませんのでどのような寺院か詳しく紹介できなくて恐縮なのですが漁港がここまでフォトジェニックになることがあるのかと驚く筆者でした。
漁港
 魚市場の様子です。厳密には観光魚市場ということになっているようですが近隣の海鮮食堂からの買い付けも目立ちます。刺身用で売られている魚も多く見られ、お土産としてカラスミの真空パック詰めが売られていました。ここで買った魚は近隣の海鮮食堂で調理してもらえるそうなのですが中国語が分からない筆者は挑戦してません(笑)。

豆腐岬

冗談ではありません、本当に豆腐岬があるのですが「豆腐」でイメージするほどソフトな場所ではないばかりか着いてみれば一度顎が落ちます(笑)。
豆腐岬
豆腐にあるような柔らかい要素は一切ゼロです(笑)。なんと荒々しい地形でしょうと言いたいのですが強いて豆腐で例えるなら粗削りした硬すぎた木綿豆腐といったところでしょうか。南方澳の町中から遠くはないのですが情人橋が2019年10月現在通行不能なのでかなり遠回りすることになります。
豆腐岬
豆腐岬の裏側を漁港のちょうど裏側にある内灘海岸から撮影したものです。先ほどの荒々しい様子からうってかわってソリがあればきれいにすべりそうな緑につつまれた斜面になっているように見えますがかなり急なのでやめましょう(笑)。(それ以前に立入禁止ですが)

ビーチもまたすごいこと

あらかじめ断っておくとここのビーチは深度が一気に深くなるなどの要因で海水浴を楽しむという性格はかなり薄いです。そのかわりにタピオカドリンクをもった若者らがビーチで思い思いに過ごすという過ごし方が多く見られました。
ビーチ
 この山の裏に豆腐岬が潜んでいます(笑)。もう少し距離をとると前項の2枚目の写真で示したように豆腐岬の裏側が見えるようになります。それでは反対側を見てみましょう。
ビーチ
 急峻な山が迫っています。これはどう表現すればいいのか分からない凄い地形なのですが日本で例えれば新島の羽伏浦海岸の白ママ断崖の崖が白くなくなったものとでもいったところでしょうか。ちなみに海岸近くには洒落たカフェも多いのでそこでゆっくりするのもおすすめです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?蘇澳と南方澳を合わせて蘇澳鎮を紹介させていただきました。冷泉から魚市場に豆腐岬、ビーチとディープな体験ができるところが揃っています。新婚旅行などで台湾に行く際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?