ハンガリーで旅客用で機能している空港は実質ブダペスト郊外のフェリヘジにあるリストフェレンツ国際空港1つになります。(ブダペスト以外にもあることにはあるのですがチャーター以外では殆ど機能していません)ブダペスト市内から行く分には簡単なのですがアクセスの手段はもともと多くありません。それにしてもブダペスト以外の都市から空港へ行きたい場合はどうすればいいのでしょう?今回はケチケメート・セゲド方面を念頭に紹介します!

リストフェレンツ国際空港のアクセス事情

東京の主要2空港(成田、羽田)は公共交通機関によるアクセスがとても充実しており、手段も行き先も豊富です。その点ブダペストのリストフェレンツ国際空港の公共交通機関でのアクセスは至って単純です。一昔前まで空港発着のバスはメトロとハンガリー国鉄と接続するKőbánya kispestへ向かう200Eのひとつのみでしたが近年になって100Eが新たに新設されました。100Eはブダペスト都心部のDeák Ferenc térまで快速運転するルートになります。200Eも最近ダイヤ改正が行われ、行き先がNagyvárad térまで延伸されました。これにより、ネープリゲットバスターミナルにも停車するようになりましたがそれ以前からある鉄道駅に停車していました。

実は近くに鉄道駅!?

そうなんです、一見空港からの交通手段は2つしかないように見えますが実はほど近いところに鉄道駅があります。以前は各駅停車のみが停車していた駅ですが5年前あたりからインターシティ特急も停車するようになってから利便性がかなり向上しました。フェリヘジ駅になるのですがここには路線バス200Eが停車します。元々は各駅停車しか停車しなかった駅なので今でも無人駅のままになっています。空港からは路線バス200Eで5~10分前後です。
フェリヘジ駅には主に下りはデブレツェン・ニレジハーザ・ケチケメート・セゲド方面行の各列車が停車します。上りについては全てブダペスト西駅行になります。

ケチケメートから空港へ!

冒頭でも述べた通り、今回はケチケメート・セゲド方面を念頭に紹介させていただきます。というのも筆者は諸事情でケチケメートを頻繁に訪れており、ハンガリーでの拠点もブダペストではなくむしろケチケメートになりがちだからなのです(笑)。さらにインターシティ特急で南下すれば学研都市?セゲドです。
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 まずは経路確認から行いましょう。今回はケチケメートを出発してリストフェレンツ国際空港へ向かうルートですので最初はインターシティ特急でツェグレードを経由してフェリヘジ駅まで目指します。終点のブダペスト西駅までは概ね1時間20分ですがフェリヘジ駅までは遅延がなければ最速48分前後で到着します。これを鑑みるとブダペスト中心部から空港までは決して近くはないということがよく分かりますが東京都心部と成田国際空港の距離感に比べればまだマシな方だと思います(笑)。
 それでは出発なのですが筆者のフライトは13時発、チェックインは2時間前に始まることが多いですが余裕を持って8時47分発に乗車することにしました。フェリヘジ駅からはバスで5分前後なので10時台に着く行程になります。(セゲド駅発であればさらに1時間付け足してください)
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 それにしても今回乗車したインターシティ特急は快速運賃で乗れる自由席車を利用したのですが珍しい編成にあたりました。写真を見る限りではボックスシートであることしか覗えませんがそれこそがキーです。以前ハンガリー国鉄に関する記事で基本的にコンパートメントになっていると言及しましたがなんと今回はコンパートメントではなく普通の固定クロスシートを用いた本来ならインターシティではあまり使われない客車も混結していたのです。荷物が多いときは通路が狭くなりがちなコンパートメント車より余裕があるので助かります。ただし、忘れてはいけないのが自由席車ですので車内放送は聞こえないということです。(時々車内検札の要員がリマインドしてくれることがあります)
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 霧の立ち込めた朝にいざ出発です。それにしても体感気温ではそれなりに寒く感じられましたが(乗車したのは9月)この時期になるとハンガリーは本格的に秋をむかえます。そのため、日中はまだ暖かいことには暖かいのですが朝は10度かそれ以下まで冷え込みます。
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 車窓です。フェリヘジ駅まで乗車していた間、このように霧が立ち込めた状態がずっと続きました。晴れていると畑や森林のある平野をのんびり快走しているような感じですね。よく目を凝らせば鹿や野ウサギなどの野生動物を目にすることもできます。
フェリヘジ駅
 フェリヘジ駅到着です。空港の最寄り駅だというのに無人駅だとは改めて驚きですね。筆者は後方の客車に乗車していたのでまずは進行方向先頭近くにある出口を目指します。駅のすぐ隣は幹線道路になっており、出口を出てすぐのところにバス停があります。前述した路線バス200Eも停車します。運行頻度は概ね15分前後ですがそれはあくまでも目安です。なお、運賃ですが券売機などで事前に購入すれば350フォリント(約100円)ですがフェリヘジ駅のバス停に券売機はないので運転手に直接払うことになります。この場合、車内購入運賃となって450フォリントになるのでその点に留意してください。乗車したら空港まではすぐそこです。なお、バスは出発フロアではなく到着フロアに停車するのでその点にも留意してください。

おわりに

いかがでしたでしょうか?バス路線が2つしかないと思えば実は鉄道を使ったアクセスも可能だったとは思いもよりませんでした。おかげさまで昼間のフライト以降であれば少なくともケチケメート・セゲド方面であればブダペスト市内に入らずとも案外簡単にアクセスできてしまうということだったんですね。実はフェリヘジ駅経由のアクセスには使い方がもうひとつありまして、ブダペスト西駅からフェリヘジ駅まで快速列車もしくはインターシティで乗車してそこから200Eに乗り換えるというものです。渋滞を回避したいときに使える方法ですが少々割高になるので筆者は使わないのです….。