水中に潜み、いつどこから攻撃するかわからない潜水艦は、大きな脅威であり存在そのものが抑止力になる兵器です。
現代の潜水艦は、原子力機関を搭載し長期間の潜航が可能な原子力潜水艦と通常動力型潜水艦に分けられ、通常動力型の場合もAIP機関等を搭載しているため潜航時間が長く、浮上するのは最小限となっています。
ここでは、世界各国が運用している潜水艦をランキング形式で紹介していきます。

第10位 コリンズ級(オーストラリア)

コリンズ級は、オーストラリア海軍が運用する通常動力型潜水艦です。
全長77.8m、排水量3051t、乗員45名、魚雷発射管6門をもち、Mk48魚雷とハープーン対艦ミサイルを計23発、または魚雷等の代わりに機雷44発を搭載することができ、オーストラリア海軍ではSSG(巡航ミサイル潜水艦)と呼ばれています。
コリンズ級はスウェーデンのメーカーの設計のもとにオーストラリア国内で建造された潜水艦ですが、初期段階から、水中での雑音がひどくてソナーが阻害される、プロペラに亀裂が入る、機関部がオイル漏れを起こすといったトラブルがいくつも報告され、国内では大きく批判されました。
運用開始後も故障や事故が相次ぎ、オーストラリアではコリンズ級を失敗作とみなす声もあります。
コリンズ級はすでに退役が決まっていて、時期潜水艦には日本の「そうりゅう」型も候補にがりましたが、最終的にフランスの原潜シュフラン級の通常動力型に決まりました。

第9位 孫元一級(韓国)

孫元一級は、韓国海軍が運用する最新の潜水艦で、ドイツから技術を導入して214型通常動力潜水艦をライセンス生産したものです。
全長65m、排水量1700t、乗員27名、魚雷発射管8門をもち、魚雷16本を搭載でき、ほかにハープーン対艦ミサイルと韓国が開発した天竜対地巡航ミサイルの運用能力をもちます。
艦名は韓国の初代海軍参謀総長である孫元一に由来し、韓国海軍の主力となる期待の新鋭艦となるはずでした。
しかし、潜水艦建造の経験がない企業が受注したため多数の不具合が起こり、騒音がひどいためにスクリューを交換することになったり、燃料電池に問題があるため本来なら数週間の潜航期間が数日に過ぎなかったりと、就役後もその対応と修理に追われました。
現在も、果たしてどれほどの戦力化ができているのか詳細は不明です。

第8位 ゴトランド級(スウェーデン)

ゴトランド級は、スウェーデン海軍が運用するスターリングエンジンを搭載した通常動力型潜水艦です。
全長60.6m、排水量1384t、乗員23名、魚雷発射管6門に魚雷16本を搭載しています。
スターリングエンジンは、潜水艦に搭載されるAIP(非大気依存)機関です。
AIPとは、機関を作動させるために浮上したりシュノーケルを使用する必要がない技術のことをいい、スターリングエンジンではガスを加熱・冷却することで体積を変化させ、それによって機関を動かします。
ゴトランド級のスターリング機関は、潜水艦建造に定評のあるスウェーデンのコックムス社製で、これと同型のものが海自の「そうりゅう」型にも搭載されています。
現在は船体を切断しての新冷却システムの搭載など大規模なアップデートを行っていて、今後も長期に渡って使い続けられる予定です。

第7位 晋級原子力潜水艦(中国)

晋級は、中国海軍が運用する最新の弾倉ミサイル原子力潜水艦です。
正式名称は094型原子力潜水艦と呼ばれ、晋級というのは西側諸国で使われるNATOコードネームで、中国潜水艦には王朝の名前がつけられています。
晋級は、全長137m、排水量12000tで、魚雷発射管6門をもち、射程約8000㎞の巨浪二型(JL-2)弾道ミサイル12基を搭載することができます。
現在までに4隻あまりが就役したとされ、2020年ごろまでに8隻体制になるとされていますが、正確なところは不明です。
2015年からは戦略パトロールをはじめたとされ、中国の核抑止のための重要な戦力となっています。
中国は現在、アメリカとロシアに並ぶ世界の三大潜水艦保有国となっていて、その数は原子力・通常動力艦をあわせて60隻あまりです。
しかし、中国艦の問題点として静粛性が低いことが上げられ、最も静粛性に優れるとされる晋級ですら、他国の旧型潜水艦レベルとされています。

第6位 アスチュート級原子力潜水艦(イギリス)

アスチュート級は2010年から就役がスタートしたイギリスの最新攻撃型原子力潜水艦です。
イギリス海軍が運用する原潜のなかで最大の艦で、全長97m、排水量7800t、乗員110名、魚雷発射管6門に加えてトマホーク対地巡航ミサイルとハープーン対艦巡航ミサイルの運用能力をもち、魚雷とミサイルをあわせて38基まで搭載することが可能です。
アスチュート戦闘管理システム(ACMS)を搭載し、搭載兵器やセンサーからの情報を統合して活用することができます。
こうしたシステムには、COTS(商用オフザシェルフ)という方式が採用され、OSにはウィンドウズ、CPUにはインテルを使用するというように、民間企業の市販品を活用することでコスト削減を図っているのが特徴です。

第5位 212A型潜水艦(ドイツ)

第一次、第二次両大戦でUボートを使用し、大きな戦果を上げたドイツでは、現在でも評価の高い潜水艦が作られています。
212A型はドイツ海軍が運用する最新型のAIP搭載型通常動力潜水艦で、全長57m、排水量1450t、乗員27名で、魚雷発射管6門を装備し、魚雷12本または機雷24発を搭載することができます。
212A型は、このAIPにPEM燃料電池(個体高分子形燃料電池)を搭載して数週間にわたる長期での潜航が可能になりました。
少し小型ですが手堅い造りで使い勝手がよく、イタリア海軍でも使われ、212A型を大型化した214型は韓国・トルコ・ポルトガル・ギリシャに輸出され、ノルウェーでも212A型の改良型を次期潜水艦に決定しています。

第4位 ル・トリオンファン級原子力潜水艦(フランス)

ル・トリオンファン級は、フランス海軍の運用する戦略ミサイル原子力潜水艦です。
全長138m、排水量12640t、乗員111名、魚雷発射管4門に加えて射程5300㎞、150㏏の熱核弾頭を搭載できるM45潜水艦発射弾道ミサイル16基を搭載できます。
1997年就役のル・トリオンファン(勝利)をはじめとして現在までに4隻が就役、この先も長期にわたり使い続けられる予定になっています。
4番艦のル・テリブル(恐怖)では射程が8000~10000㎞に増大したM51ミサイルを搭載していて、他の艦もM51への換装が開始されています。

第3位 そうりゅう型(日本)

「そうりゅう」型は、日本の海上自衛隊が運用する主力潜水艦で、世界最大クラスのディーゼル潜水艦です。
「そうりゅう」は日本海軍の空母と同じ名前で、海上自衛隊では潜水艦の命名方法として、瑞祥動物(縁起のよい動物)の名前がつけられることになっていて、そうりゅう型の艦は名前にすべて「龍」が入っています。
そうりゅう型は、AIP搭載の通常動力型潜水艦で、全長84m、排水量2900t、乗員65名、艦首部に魚雷発射管6門を装備し、通常の護衛艦が使う単魚雷と違って、長射程・高威力をもつ長魚雷である89式魚雷を搭載しています。
89式はワイヤーを使っての有線で敵艦への誘導もでき、確実に命中させることができ、ソナーなどセンサー類を統合した兵器システムを搭載しています。
そうりゅう型は前級の「おやしお」型をベースとして開発されたもので、これまでに10隻が就役しています。
11番艦「おうりゅう」が現在竣工を目指しており、さらに12番艦が建造中です。
船尾の舵が十字からX型になったのがおやしお型からの変更点で、AIP機関のスターリングエンジンはスウェーデンのコックムス社製のライセンス生産で、ディーゼルエンジンや永久磁石を使った電動モーターなどは国産です。
2019年10月に進水した11番艦の「おうりゅう」からは、急速充電が可能でメンテナンスの必要もないリチウムイオン電池が搭載されて、水中での行動力が向上し、これ以降の艦は改そうりゅう型とも呼ばれます。

第2位 ボレイ級原子力潜水艦(ロシア)

ロシアは世界有数の潜水艦大国であり、原子力潜水艦に加え、通常動力型潜水艦も建造していて、潜水艦の輸出も盛んです。
近年は強いロシアの復権を掲げるプーチン大統領のもと新型潜水艦の開発にも積極的です。
ボレイ級は、全長170m、排水量14720t、乗員107名で、魚雷発射管6門と3M14ブラヴァー弾道ミサイル16基を搭載することができます。
「ボレイ」とはもともと新型潜水艦建造計画につけられた愛称のことでした
世界最大の潜水艦であったタイフーン型の後継艦ですが、弾道ミサイルの小型化により前級のような大型化からは路線変更しています。
弾道ミサイルの発射試験で何度かの失敗があったものの、2013年から戦力化されており、現在までに3隻が就役していて、最終的には8隻が建造予定とされています。

第1位 オハイオ級原子力潜水艦(アメリカ)

オハイオ級は、アメリカ海軍が保有する最大の潜水艦で、アメリカが現在保有している唯一の戦略ミサイル原子力潜水艦です。
オハイオ級は、全長170.67m、排水量16764t、乗員163名、魚雷発射管4門に加え、射程11112㎞のSLBM(トライデントD5)を24基搭載することができます。
オハイオ級の任務は通常の潜水艦とは一線を画するもので、味方艦艇との行動や敵艦の攻撃といったことは行いません。
オハイオ級は、90日間の戦略パトロールを行う能力をもち、この間はどこに潜航しているのか徹底的に秘匿され、深海で孤独な任務についています。
そして、有事の際には世界中どこであれ、敵国の軍事基地や都市といった目標に対して、核ミサイルを撃ち込むことができるのです。
オハイオ級はアメリカの仮想敵であるロシアを睨んだ行動が多いため、北太平洋や北大西洋、北極海での活動が多いとされています。
現在、アメリカでは次世代の戦略原子力潜水艦であるコロンビア級の建造を計画しており、2030年ごろからの就役を目指しています。

 

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