「団地鉄」という言葉をご存知でしょうか。これは、団地大好きなお笑い芸人、「トッキブツ」の太田さんが生んだ言葉で、団地と鉄道が一緒に収まっている風景が好き!という新ジャンル。確かに、団地の近くを走る鉄道の光景には、鉄道と生活が密接に関係している雰囲気を感じます。そこで今回は、「鉄道がある風景」に注目し、団地以外にも鉄道と相性がいいものとその風景についてお話しします。

定番!自然風景×鉄道

自然風景×鉄道は、人気の組み合わせのひとつです。たとえば、富士山を背景に疾走する東海道新幹線、秩父・長瀞の絶景と秩父鉄道のSLパレオエクスプレス、雄大な北海道の釧路湿原を走る釧網本線、四国の大歩危小歩危峡を走るトロッコ列車など、例を挙げていけばきりがありません。

自然風景と鉄道の組み合わせには、大きく2つの魅力があります。

ひとつめは、旅情を刺激すること。鉄道、特にSLや特急、1両だけで走るローカル普通列車などに非日常を感じる人は少なくありません。豊かな自然もまた、非日常を感じさせます。こういった非日常と非日常の組み合わせが、「こういう光景を実際に見てみたい」「こういう場所に行ってみたい」と旅情を刺激するのではないでしょうか。

2つめは、自然と鉄道(人工物)のギャップと調和です。自然と人工物という、一見相反するように思えるものがひとつのフレームの中でぴったりときれいに収まっている。このギャップと調和がたまらなく魅力的に感じられるのでしょう。

根強いファン多し!道路×鉄道

道路×鉄道というのは、つまり「路面電車」です。

今や、路面電車はちょっとしたレア鉄道。路面電車が見られる風景は、札幌、広島、大阪、京都、福井、鎌倉、東京、岡山、豊橋、松山、熊本、長崎、鹿児島などかなり限られた地域になってきています。

しかし、路面電車ファンはいまだに多くいます。繁華街の大通りを、あるいは生活感あふれる商店や家の前を車と一緒に走る電車の様子は、ノスタルジーを刺激します。

筆者は一部区間が路面区間になっている京都の電車、京福電鉄(嵐電)にしばしば乗るのですが、観光シーズンなどになると路面区間に入ったとたんに「おおっ」と感嘆の声を上げる年配の方をときどき見かけます。

また、若い人たちにとっては、電車が道路を走る光景は新鮮に感じられるようです。修学旅行生なども夢中になって車窓からの景色を楽しんだり、写真に収めたりしている様子が見られます。

路面電車は、たとえば松山の坊っちゃん列車のように観光資源のひとつになっているものもあります。また、広島電鉄や高知のとさでんのように、国内外の旧型の車両が今でも現役で走っているものもあります。こういった路線では、かつてその旧型の車両が走った街や国、時代を思いながら乗って、眺めて楽しむという楽しみ方もあります。

生活との密着感に胸が熱くなる!住宅地×鉄道

都市部から郊外に延びる路線に乗っていると、住宅地の中を電車が走る光景によく出会います。こういった、住宅地×鉄道も面白い風景のひとつでしょう。

住宅地×鉄道の魅力は、鉄道と生活との密着感です。そういった意味では、団地鉄と近い魅力があるかもしれません。

路面でこそないものの道路と同じ高さを走る路線の場合、電車の通過に合わせて小さい子供が楽しそうに電車を見たり、手を振ったりしているのを見かけることがあります。また、駅の近くだと登校・下校時の学生がおしゃべりを電車が通過する轟音で中断するなどしている様子なども見かけます。

こういった、沿線住民や利用客の生活の中に鉄道が溶け込んでいる様子、通勤通学の足として愛され、必要とされている様子を見ていると、改めて鉄道は第一に私達の生活を支えるインフラであることを感じることができます。鉄道好きとしては、胸が熱くなる瞬間でもあります。

遮断器や警報音にも心惹かれる。踏切×鉄道

住宅地×鉄道に欠かせない光景のひとつに、踏切×鉄道があります。踏切で待っている人の前を大きな列車が横切っていく様子は、列車の大きさや迫力が改めて感じられる光景です。また、踏切の警報音や、赤い警告灯、黄色と黒の遮断器なども面白く感じられます。

踏切の場面は、しばしば漫画・アニメ・ドラマなどの創作物でも印象的に描かれます。

『君の名は。』がヒットした新海誠監督の作品には、しばしば鉄道が印象的に描かれます。そんな監督の作品のひとつ『秒速5センチメートル』では、ラストシーンで踏切が非常に重要な小道具となりました。新海作品の中でも特に印象的なシーンです。

普通の電車が踏切を通っていく光景も心がときめきますが、特急列車などちょっとめずらしい列車や蒸気機関車が踏切を通っていく様子もユニークです。

たとえば、山形新幹線や秋田新幹線は一部在来線の特急区間を走ります。特急区間にはもちろん、踏切も存在します。1車線しかない、あるいは車も通れないような狭い道にある踏切を新幹線が横切っていく様子は、ちょっと不思議な光景です。

なお、踏切は事故が多い場所でもあります。実際に踏切×鉄道の光景を楽しみたいときは、あまり線路に近づきすぎないようにして気をつけて楽しみましょう。

もはやひとつのアトラクション?遊園地×鉄道

鉄道の近くには、しばしば遊園地などのレジャー施設があります。このレジャー施設と鉄道の組み合わせもまた、面白い光景です。

たとえば、関西にはユニークなCMで有名な「ひらかたパーク(ひらパー)」という遊園地があります。この遊園地のすぐ横を京阪電車が通っています。ひらパー内の丘の上などからパークとパークの横を通る京阪電車を眺めることができるのですが、行楽気分が盛り上がる楽しい光景です。

また、同じく関西には、1970年に開催された大阪万博跡地を利用したエキスポランドという遊園地がありました。エキスポランドの最寄り駅は大阪モノレールの万博記念公園駅です。エキスポランドのジェットコースターや観覧車とモノレールの組み合わせは近未来感があり、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた大阪万博の名残を感じさせる良い光景でした。

こういった光景には、鉄道がまるで遊園地のアトラクションのひとつであるような雰囲気すら漂います。行楽地へ向かう鉄道は、ひょっとしたら入園前から楽しめるアトラクションのひとつなのかもしれません。少なくとも、鉄道好きにとっては、電車に乗るだけで気持ちは上がります。

あなたのおすすめの「鉄道のある風景」はなんですか?

鉄道がある光景について紹介しました。ノスタルジックな風景から近未来的な風景まで、鉄道のある風景とその楽しみ方は非常にバリエーションが豊かです。鉄道ファンといえば、乗る、撮る、音を楽しむなどをしている人に注目が集まりがちです。しかし、団地鉄をはじめとする「鉄道のある風景」を楽しむ人も増えると、鉄道の魅力ももっと深いものになっていくことでしょう。鉄道を楽しむときは、ちょっと視界を広げて周辺の光景を含めて楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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