心筋梗塞や脳梗塞をはじめ、命に関わる様々な病気の元凶となる高血圧。今や血圧は多くの人にとって気にせずにはいられない重要なバイタルサインです。
高血圧と診断されれば降圧剤を処方される人も多いですが、出来ることなら薬に頼らず正常な血圧に戻したいと思う人も多いでしょう。食事や運動も血圧にとって重要ですが、実はマッサージで血圧を下げることも出来るのです。
ここでは薬に頼らず血圧を下げたいと考えている人のために、血圧を下げるマッサージについて説明します。

血圧の基準を知っておこう

血圧には最高血圧と最低血圧の2つがあります。最高血圧とは心臓が収縮する時の圧力のことで「収縮期血圧」とも言います。それに対して最低血圧は心臓が拡張する時の圧力で「拡張期血圧」と言います。
血圧をチェックする時はこの「収縮期血圧」と「拡張期血圧」の2つを見ます。
血圧の正常値は最高血圧(収縮期血圧)が139以下、最低血圧(拡張期血圧)は89以下です。
最高血圧で140以上、最低血圧で90以上だと高血圧と診断されます。
家庭用血圧計ではこの数字にマイナス5を指標としてください。

血圧が上がる仕組み

血圧はなぜ上がってしまうのでしょうか?その原因が分からないと高血圧を防ぎようがありませんよね。

塩分・動物性脂質の摂りすぎ

塩分や動物性脂質は人間が活動する上で必要な栄養素です。ですが摂りすぎると血液中に溜まり血液がドロドロになります。
サラサラの血液とドロドロの血液ならどちらが心臓に負担がかからないかは分かりますよね。さらに動脈の伸縮性が低下し血管が固くなる動脈硬化にも繋がるので、塩分と動物性脂質の摂りすぎには気をつけましょう。

カリウム・カルシウムの不足

塩分の1日摂取量の目安を知っていますか?厚生労働省によると7〜8gだそうです。世界基準になると1日5gと言われています。
これはかなり難しくどうしてもオーバーしてしまうものです。そんな時に助けてくれるのがカリウムです。カリウムは余分な塩分を体外に排出してくれる働きがあるので、カリウムが多く含まれる野菜が不足すると必然的に塩分過多で血圧が上がりやすくなります。
また、カルシウムにも血圧上昇を抑える働きがあるので、カリウム・カルシウムの不足は高血圧に繋がります。

運動不足

ハードな運動直後は血圧が上がりますが、適度な運動は下げるホルモンの分泌を促し、血圧を上げるホルモンの分泌を抑制します。
つまり、ジョギングやウォーキングなど適度な運動を習慣化することで高血圧を予防することが出来るのです。
また、運動不足は肥満を招きやすくなります。肥満の人は血液中のインスリン濃度が高くなりやすいですが、これが交感神経を刺激して血圧を上げてしまうと言われています。

飲酒・喫煙

「酒は百薬の長」というように、適度なお酒は血管を拡張し、一時的に血圧を下げる効果があると言われています。しかし飲み過ぎはよくありません。過度なアルコールは交感神経を刺激し心拍数を増やすことから血圧を上げてしまうのです。
また、煙草に含まれるニコチンは血管を収縮させる働きがあります。細くなった血管内に血液を流すためには強い圧力が必要になるのでこれが血圧を上げてしまいます。

その他

他にも血圧を上げる要因はいくつがあります。精神的な緊張や興奮は一時的に血圧を上げますが、これは慢性的な高血圧とは違うのであまり心配いりません。しかし、精神的なストレスが長期間続くようだと自律神経の働きが乱れて高血圧になりやすくなります。
寒さや疲労の蓄積も血圧を上げることがありますし、心筋梗塞などには家族歴が関係していると言われるように、血圧は体質によっての差もあります。
そして怖いのが血圧を上げる病気です。病気による高血圧を二次性高血圧といい、糖尿病などの腎臓疾患や副腎ホルモンの分泌が乱れる副腎の病気があります。
二次性高血圧は、原因となる病気の治療が優先され、病気が治れば血圧も戻るという場合がほとんどです。

血圧を下げるマッサージとは

ここまで高血圧の基本的な知識を説明しましたが、ここからは実際に血圧を下げるマッサージについて説明します。

ふくらはぎのマッサージ

「ふくらはぎは第2の心臓」というようにふくらはぎの筋肉は血圧に深く関係しています。
筋肉にはミルキングポンプという働きがあります。これは筋肉の収縮によってその中を通っている血管へ圧力をかけ、血液を送り出す働きの事です。つまり筋肉の収縮は心臓のお手伝いをしてくれるということですが、このミルキングポンプが最も重要になるのがふくらはぎの下腿三頭筋です。身体の一番下にある部分なので、そこから血液が心臓に戻るためには重力に逆らって登らないといけないので強い力が必要になります。その力となっているのが下腿三頭筋なのです。
下腿三頭筋をマッサージするのはとても簡単です。ゆかに座った姿勢で片方の脚を体操座りのように膝を立てます。あとはふくらはぎを自分で揉むだけです。もみ方は自由ですが、ポイントは「出来るだけ大きく揉む」、そして「足首の方から上へ登るように揉む」です。
ふくらはぎを揉むことで末端部の血液循環が良くなれば心臓への負担が軽減され血圧が下がりやすくなります。
ちなみにこの時に足裏も一緒に揉んであげると良いでしょう。下腿三頭筋と足裏の足底腱膜は筋膜で繋がっているので、一緒にマッサージすることで効果が高まります。

高血圧に効くツボ「合谷」

東洋医学では経絡・経穴というものがあります。経絡というのは人間の身体の中を自然界のエネルギーがめぐり、その道筋のことを言います。そしてその経絡というエネルギーの道筋の中にある要所が経穴、つまりツボです。
ツボにはそれぞれに様々な効果があるとされていますが、その中でも万能のツボと言われているのが「合谷」です。
合谷は肩こりや頭痛、歯の痛みに効くと言われていますが、血圧を下げる効果もあると言われています。
手の甲側、親指の人差し指の間にある水かきのところに合谷はあります。そこを反対の指で押し込んで「痛気持ちいい」と感じるところが合谷です。10秒位押しこんだら反対の手も押しましょう。
強く押した方が効くと言うものでもないので、少し痛いけど心地よいと思える程度の力で押して下さい。

「天柱」・「風池」も効く

首の後ろ筋から後頭部へかかる境目にも血圧を下げる効果のあるツボがあります。
首の後頭部の境目で、真ん中の凹みから外へ指を滑らしていくと太い筋の塊にぶつかります。ここが「天柱」というツボです。そこからさらに外へ指を滑らせると今度は凹みが左右にあります。ここは「風池」というツボです。
天柱と風池は肩こりや偏頭痛に効くとされるツボですが、これも血圧を下げる効果があります。この2つのツボは、背中から後頭部にかけて付着する僧帽筋という筋肉の付け根にあります。僧帽筋は肩こりの原因となる筋肉なので天柱・風池を押して肩こりが和らげば、自然と血圧も下がるでしょう。
押し方は合谷と同じように、「痛気持ちいい」程度の強さで10秒を目安にしましょう。

まとめ

日本人の死亡原因第一位はガンです。しかし、脳梗塞、心筋梗塞など全ての循環器疾患を合わせると死亡者数はガンに匹敵します。そしてそんな循環器疾患の元凶とも言えるのが高血圧なのです。
食事や運動で高血圧を改善させようと努力している人は多いと思いますが、それでも改善が見られないようでしたら、ふくらはぎのマッサージと、合谷・天柱・風池のツボを使ってみて下さい。
薬は決して悪いものではありませんが、出来ることなら薬に頼らずに日常を過ごしたいというのは誰もが思うことなのですから。