日常生活やスポーツの場面でよく見られる怪我の一つに足首の捻挫があります。一度は足首を挫いた経験のある人も多いのではないでしょうか?
生きていれば怪我をしないことはありませんよね。大切なのは怪我をした時に正しい対処法を知っているかどうかということです。全ての怪我の対処法を知る必要はありませんが、頻度の高い怪我だけでも知っておくといざという時に役に立ちます。ここでは、捻挫の中でも最も頻度の高い足関節捻挫について説明します。

捻挫とは

関節には正常可動域というものがあります。これは「ここからここまでは動く」という関節が動ける幅のことです。全ての関節に正常可動域は存在し、各関節によって違います。ちなみに正常可動域には多少の個人差はありますが、人によってそれほど大きく変わることはありません。
外からの力が加わり、正常可動域を超える範囲まで関節を曲げられた時に起こるのが「捻挫」です。
捻挫をすると関節部分で2つの骨を繋ぎ止める役割がある靭帯という組織がダメージを受けます。スポーツニュースで「〇〇選手が靭帯損傷」という言葉を聞いたことはありませんか?これが捻挫によるダメージです。
捻挫がひどい場合、靭帯が完全に断裂してしまうこともあり、その場合は骨折や脱臼以上の大怪我となることもあります。

なぜ内返し捻挫が多いの?

足首の動きは大きく分けて「内返し」と「外返し」に別れます。
内返しとは足裏が内側を向くように足首を捻る動きです。逆に足裏が外側を向くように捻るが外返しです。足首の捻挫は大きく分けて「内返し捻挫」と「外返し捻挫」の2つに別れますが、発生頻度で言えば圧倒的に「内返し捻挫」の方が多いのです。これは足首の構造に理由があります。
下腿の骨は脛骨と腓骨という二本の骨があり、脛骨は内くるぶし、腓骨が外くるぶしを作っています。二つのくるぶしの間に挟まれるようにキョ骨という骨があり足首の関節を構成しています。
パッと見は内外二つのくるぶしが同じ高さにあるように見えますが、よく見ると外くるぶしの方が低い位置にあるが解ると思います。足首が外に持っていかれるのを外くるぶしが支えてくれるので、外返し捻挫は少ないのです。逆に支える力が弱い構造になっている内くるぶしの性で内返し捻挫はよく起こります。

足首を挫いた時の対処法

「捻挫は癖になる」などよく言いますが、癖にならない為にも早めの正しい処置が大切になります。では正しい処置とは何でしょう?ポイントは患部の冷却と固定です。

できるだけ早めに冷やす

捻挫をしたら出来るだけ早めに冷やしましょう。早ければ早いほど良いです。これは、関節周りで起こる炎症反応を引かせるためです。
捻挫により靭帯など軟部組織の破壊が起こると、それを修復するために免疫細胞が働き始めます。この時に熱を生み出すのですが、炎症反応とはこの熱のことです。
内出血が起こり、患部に漿液が集まり腫れ上がります。これは体内で修復しようとする働きの一つなので問題ないのですが、早めに冷やし腫れを引かせてあげることで治るまでの期間をグッと短くすることが出来ます。
冷やすというと冷湿布で冷やそうとする人がいますが、残念ながらこれはそれほど効果ありません。冷湿布は冷やす力が弱いからです。
ビニール袋に氷を詰めて患部に当てるのが良いでしょう。もしあればケーキを買った時に付いてくる保冷剤などでも大丈夫です。
冷やす時間は15分まで。氷を患部に当てると最初は冷たいですが、徐々に痛くなってきます。ここは我慢しましょう。すると痛みがなくなり今度は何も感じなくなります。ここまでで15分位でしょう。それ以上冷やし続けると感覚がない分、知らない間に凍傷を起こしてしまうことがあるので気をつけて下さい。

固定し安静にする

冷やしたら次にやるべき事は患部を安静に保つことです。皮膚の内側で組織が破壊されているので動かしたり、歩いて体重をかけると、破壊された粗四季に負荷がかかるので悪化してしまいます。
テーピングや包帯を使い患部を固定すると、破壊された組織に圧力がかかりづらくなります。自分で湖底ができると1番良いのですが難しい時は出来る人にやってもらいましょう。まわりに出来る人がいなければ整骨院や整形外科の受診をおすすめします。

治るまでの目安

捻挫が治るまでの期間とは、つまり破壊された組織が修復されるまでの期間です。これは個人差もありますし、捻挫の程度によっても違いますが、おおよそ二週間と言われています。そしてその中でも受傷から72時間が急性期と言われています。この72時間でどれだけ治すための処置、具体的には前述した冷却と安静が出来るかで治るまでの期間が変わってきます。
もちろん若い人ほど治りが早く、中高生など10代の人では2〜3日で痛みを感じなくなるケースもあります。逆に30代以降になると治るまでに時間がかかるので、注意しましょう。

痛みが強い時は骨折と捻挫の鑑別が大事

捻挫は関節の怪我ですが、ひどい場合靭帯が切れるだけでは済まず、周りの骨が折れてしまうこともあります。そうなるともう捻挫ではなく骨折です。添え木などを使いより強い固定が必要になりますし、もし折れた骨がズレていたら整復し元の位置に骨を戻さなければなりません。
つまり、捻挫をした場合、骨折していないかの確認が大切になります。
正確な確認は素人では難しいですが、簡単な確認方法を紹介します。

介達痛があるか

捻挫と骨折で違うのは「介達痛」があるかないかです。
介達痛とは、患部とは離れたところに振動を与え、その振動が患部に伝わり痛みを引き起こす事です。
骨折の場合、折れた骨と同じ骨を少し離れたところから叩くと患部に伝わり痛みがありますが、捻挫の場合はこの介達痛がありません。
足首の捻挫で骨折を伴う場合、多いのはすねにある脛骨の骨折か、足の甲にある中足骨の骨折です。これを確認するためには、まずすねを軽く叩いてみましょう。「弁慶の泣き所」を軽く叩いて足首に痛みがあれば脛骨の骨折が疑われます。
次に、足の指を長軸方向に押してみましょう。足の指を持ち、足の甲に向けて押し当てるようなイメージです。これで痛ければ中足骨の骨折が疑われます。
ついでに踵を足裏から叩いてあげて介達痛があれば、コレもどこかで骨が欠けている可能性があります。
介達痛の確認は、骨折の有無を診るテスト法ですが、100%ではありません。特に重度の捻挫をした急性期では、骨に以上がなくても介達痛があることもあります。

整骨院や整形外科を受診しましょう

「介達痛がよく分からない」、「固定が出来ない」という場合はもちろん、そうでなくても、捻挫をした場合は整骨院や整形外科を受信することをおすすめします。やはり怪我は怪我のプロに処置してもらうのが一番ですからね。
骨折が不安なら整形外科へ行きましょう。整形外科ではレントゲン検査が受けられます。骨折の最も正確な診断方法はレントゲンによる画像検査なので、レントゲン検査を受けて以上がなければ安心できます。

まとめ

生まれてから一度も怪我をしたことがない人は、おそらくいないでしょう。大きな怪我はなくとも擦り傷や切り傷など小さな怪我は誰もが経験あると思います。同じように捻挫や打撲といった運動器疾患も、経験のない人はいないのではないでしょうか。
年齢や性別を問わず、そしてどんなに気をつけていても防ぎきれないのが捻挫です。
まずは冷却と安静で少しでも早く治るように処置をすること。そして骨折がないか確認し、不安ならプロに見てもらうこと。実はここまでの作業はとても簡単なのです。しかし知らないと損をします。
足首を挫いた時は、正しい処置で切り抜けて下さい。