先日初めて「タピオカ」なるものを飲みました。
いや「食べました」なのか?あれは。
キャッピキャピのJKと一緒に列に並ばねばならないし、「アメジストナンチャラウンチャラ」みたいな恥ずかしいメニューを声高に申し伝えねばならないし、これは苦行か!と思いましたが、タピオカってけっこうおなかいっぱいになるのね。
昼食をタピオカドリンクで済ませるOLがいると聞いて信じられなかったのですが、なるほど一理ありますな。
ドリンクの下層に沈むタピオカを見てカエルの卵だと思ったことは黙っておくことにしました。
どうもこんにちは、ハペ屋のgekcoです!
陰険ハペ屋の端くれを名乗るワタクシ、好みのハペも陰険な種が多いのですが、今回紹介するのもそんな陰険ハペの一種です。
というか、ヤモリなんてのは陰険ハペの代表格です。
近頃はやれ「レオパちゃん」だの「クレスちゃん」だのと彼らを意思疎通可能なペットとして扱う風潮が散見されますが、本来のヤモリというのは絵に描いたような「陰キャ」。手に乗せるどころか目が合うこともない生き物です。
そういう、本来のヤモリの姿を思い出させてくれる種ですぞ。

我が思ひ出のホソユビヤモリ

実はワタクシ、高校生の頃にマレーシアへ高飛びしたことがあります。
学校の研修旅行みたいなもんだったんですが、これが本当に楽しくて。
何が楽しかったって、マレーシアのジャングルを歩いて一泊キャンプさせてもらえたのが楽しかったのですよ。
当時、まだインターネットもろくに普及していなかったので、海外の爬虫類なんてのは憧れの存在だったのです。本とかテレビとかでオオトカゲやらワニやら見て、妄想を広げておった頃のハナシですよ。マレーシアといえば、東南アジアの爬虫類両生類の有名どころが揃い踏みする夢の大地ですよ。そこへ自分の足で立つことが出来る、というのは、もはや感動モノです。
英語なんかできないし、手配してくれた現地スタッフの方はこちらをトーシロだと思っているので、日本語ができてジャングルの案内もできるガイドさんがついてくれています。が、残念ながら当時のワタクシ、すでに現地ガイドを越える知識を蓄えておったのですな。山岳部で足腰を鍛えた甲斐もあって、ガイドさんがオドロキオノノクような速度でジャングルを踏破し、ガイドさんが「アブナイヨ!ポイズン!」と言うのを「フハハハ、この種は無毒種なのだよ」とせせら笑いつつ、見かけた生き物を次々捕まえていきます。ミズオオトカゲ
を走って追いかけて逃げられたのもこのときでしたな。
で、その近くのキャンプ場で一泊したのですが、夜に用を足したくてテントから出たときのこと。当然のごとくライトを持っていて、何の気なしに近くの木の根元を照らしたのです。
そこに、奴はいました。
妖艶、とも言える立ち姿。
油断のない鋭さを備えた目。
黒い体に複雑に入り組んだ白いライン。
ぱっと見てすぐにヤモリだとわかったのですが、知っているヤモリではありません。
もちろん、捕まえようとしましたが、一歩動いた時点で残像を残して消えてしまいました。デジカメも普及していない時代で、写真も撮れていません。
その不思議な姿が目に焼きついたまま、ハペ屋の道を歩んできました。
あれから20年。
ふと立ち寄った爬虫類ショップの片隅に、奴が再び現れたのです。
あいつだ。
あのときの、あのヤモリだ。
気づけば購入し、自宅に連れ帰っていました。
それがワタクシにとっての、イトコホソユビヤモリなのです。

ここまでしなくても飼えるけど、飼育編

ワクワクウキウキしながら連れ帰り、さっそくケージをセッティング。
基本的な飼育は、前にご紹介したモトイカブトトカゲと同じです。
ホソユビヤモリの最大の特徴は、壁面を登れないこと。
トカゲモドキと同じく、指に指下薄板がないため、ガラス面を登るような動作は出来ないのです。
ですが、半樹上性とまでいわれるくらい、立体行動を好みます。
マレーシアで出会ったときも、木の根元とはいえ腰くらいの高さにとどまっていたのを思い出します。
そのため、ケージも複雑に立体的にレイアウトします。
無論、湿度の必要な種で、環境を保つためにも生きた植物でレイアウトを組みたいところ。湿らせたヤシガラ土を厚めに敷きます。
そこへ、なるべく高さを意識しながら流木やコルクを配置し、レイアウトのベースを作ります。
配置した流木やコルクの間から、「林床から芽生えた樹木」のようなイメージで植物を植えます。
多くのヤモリと同じく、たまり水は認識しないため水入れを設置する必要はありません。その代わり、脱水にならないよう毎日霧吹きで水を与えます。なるべく多くの水滴を作るためにも、植物を使ったレイアウトが適しています。
夜行性なので紫外線は不要ですが、植物をレイアウトに使うため蛍光灯を設置します。
まぁぶっちゃけ、プラケにコルクを立てかけただけでも飼えると思うのですが、せっかく出会えた思い出のヤモリを、そんな飼い方で飼いたくはありません。
ワタクシにとって、「爬虫類を飼う」ことは「空間を飼う」こと。極論すれば、彼らが暮らす現地の空間を部屋に持ってくるような飼い方をしないと、飼う意味がないのです。
セッティングの終わったケージに、さっそくヤモリを投入。あっという間にいなくなります。
そうそう、それでいい。
それでこそ、俺の思い出のヤモリだ。

いるのかいないのかわからない!だがそれがいい!

こうして、自室にホソユビヤモリのいる生活が始まりました。
毎朝ライトを点灯し、たっぷり霧吹きします。
仕事から帰ったら(植物の)状態を確認し、ライトを消します。
エサは生きたコオロギ。
けっこう大きめのエサでも食えそうですが、念のため気持ち小さめのコオロギを与えます。
二日おきに、10匹投入。
だいたい二日たてば、コオロギがいなくなっているので、追加の10匹を投入します。
さて、お気づきでしょうか。
飼育開始からここまで、肝心のヤモリの姿を見ておりません。
でも、ケージ内を良く観察すると、明らかにヤモリが活動した痕跡があります。
コルクの陰に落ちているフン。
減っていくのに死体のないコオロギ。
不自然に折れた植物。
飼育開始から一週間くらい、そういう日々が続きます。
これがね、なんともいえない緊張感があってたまらんのですよ。
そしてある日、夜中にふとケージを見ると、水滴を舐めている奴と目が合ったのです。
そう、この感じ。
ずっと昔マレーシアで初めて奴と出会ったときも、この感じでした。
自分の部屋に、かつて歩いたマレーシアのジャングルがある。この感覚こそが爬虫類なのですよ。
しばらく目が合ったあと、奴はゆっくりと物陰に戻っていきました。
それ以来しばらく飼育を続けるうちに、だいぶ出てくるようになりました。
ケージ内が明るくても霧吹きすれば出てくるし、目の前でエサも食べるようになりました。
飼育当初のような緊張感はないものの、これはこれでホソユビヤモリの日常が垣間見えるようで楽しいものです。
水滴を舐めた後、ゆっくりとケージ内を散策し、エサコオロギがいれば食べ、ひとしきり巡回を終えてから隠れ家に戻る。
そんな、彼らの日々がケージ内に広がっています。

手乗りのレオパとかクレスが可愛いのは認める。
でもね、本当の爬虫類飼育の楽しさはこういうところにあると思うのですよ。
いつまでも野性味溢れる彼らのままでいてほしいものです。

 

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