この時期ね(記事作成時点で8月)、ワタクシ本業で死ぬほど忙しいのですよ。
そんなときにね、友人から突然トカゲの写真が送られてきて、「どーよ♪」とか書かれておったのですよ。
そのトカゲはオキナワキノボリトカゲだったわけですが、要するにその友人は、ヒトが汗水流して働いているときに沖縄旅行を満喫していた、と。
で、たまたま旅先でトカゲなんか見かけたもんだから、しょーがねぇあいつにでも送ってやっか、的なノリで送りつけてきた、と。
どーもこんにちは、書いているうちに怒りが再燃してきたgekcoです。
この怒りに身をフルワセながら爬虫類ショップをうろうろしていたら、なんとキノボリトカゲを見つけてしまいましてね。
冒頭の友人を思い浮かべ、オマエなんか大枚はたいて沖縄に行かないと心が休まらないんだろう、オレなんか家にキノボリトカゲいるんだかんな、毎日家が亜熱帯なんだかんな、なめんなよな、と黒い感情に支配されつつ買ってしまいました。
というわけで、今回はキノボリトカゲのご紹介!

見たら買っとけ!キノボリトカゲ

今回ワタクシがお迎えしたのはミヤビキノボリトカゲという種です。
和名のミヤビは文字通り「雅」で、背面に蛍光色のような鮮やかなグリーンが入る美しい種です。どーだどーだ、参ったか。
分布は中国南部、どちらかといえばベトナムに近い方面となります。こういう、アジア系のキノボリトカゲは何種類もいて、みんなそれぞれ趣が違います。ミヤビキノボリトカゲはまだメジャーな方ですが、最近記載されたばかりの隠蔽種(ざっくり言えば、新種)や、記載だけされているけどぜんぜんお目にかかれない種なんてのがけっこういます。
こういう種の常で、少なくとも日本では入荷は安定していません。他の有名ドコロと抱き合わせで入ってきたり、何の気まぐれか突然まとまった数が入ってきたりと、予測不能な動きを見せます。
そのため、キノボリトカゲがほしいと思ったら機会を静かに待ち、入荷しているのを見かけたら即買い、ということになります。
ついでにいうと、後述しますがこのトカゲは飼育者をけっこう選ぶタイプです。こういうのに強いショップなら、ちゃんと落ち着くまで売約でもして待っていたほうがいいですが、総でない場合は入荷した直後に買って自分で立ち上げてしまったほうが手っ取り早い、なんてこともあります。

Gekco流!キノボリトカゲの立ち上げと飼育

というわけで、黒い感情とあふれ出る購買欲に押しつぶされるようにミヤビキノボリトカゲを購入したワタクシですが、今回購入したショップさんは「コレ系」のトカゲに強いショップさんでした。連れ帰ったトカゲを見ても、特に腰骨が浮き出たり目がうつろだったりすることもなく、見るからに元気そうです。
が、たとえ状態のいい個体を入手したとしても、ワタクシは念のため、状態の悪い個体を入手したときと同様の立ち上げケアを行います。というか、これが飼育の始まりだと思っています。
ケージ写真
まず、トカゲはきちんとセットアップしたケージに入れ、「とりあえずこれでいっか」みたいな調子でプラケに入れたりはしません。樹上性で縄張り意識の強いトカゲなので、落ち着ける環境を用意することが第一です。ケージには厚めにヤシガラ土を敷き、太い木の枝やコルクで複雑にレイアウトします。できれば、植物を植え込み、植えた植物がちゃんと育つ環境を用意するといいでしょう。紫外線はそう要求しないので、ケージサイズに見合った爬虫類用ライトで大丈夫、バスキングランプも弱いもので十分です。むしろ、バスキングランプを強いものにするとケージ内が乾燥しすぎてしまうので、そこに注意しましょう。ケージの大きさの目安としては、ペア飼育で60cm水槽程度です。ワタクシも今回ペアで購入し、60cm水槽を使っています。
一つ目のポイントは、ココ。ケージに放つ直前に、ケージ全体にたっぷりと霧吹きをして、全体的にしっとりさせます。植え込んだ植物の葉から水滴が落ちる程度には霧吹きしましょう。で、ケージ内に放ったら、小1時間程度そのまま放置して様子を見ます。種や個体にもよりますが、けっこう好奇心旺盛なものが多いので、最初は隠れていてもすぐにうろうろと探索し、しばらくするととりあえず落ち着く場所を見つけて動かなくなります。このとき、すぐさまケージ内の水滴をなめている様子があったら見逃さないようにします。
次のポイントは、ケージに放して小1時間程度が経過したこのタイミングです。トカゲを脅かさないよう、そうっとケージを開けます。で、トカゲの鼻先に、スポイトでゆっくりと水を垂らします。十分に水を与えられている個体なら無反応ですが、脱水気味の個体ならゴクゴク飲み始めるはずです。ケージ内に放した時点で水滴を舐めている様子があったら、このタイミングは早目がいいかもしれません。
キノボリトカゲというのは、基本的には湿潤で生暖かい気候帯に暮らす樹上性のトカゲです。地表に降りて水溜りを探さなくても、毎日夜露と朝露、あるいは濃霧で十分な水分が得られる環境に暮らしています。そのため、乾燥にも水切れにも弱いのです。
特に、輸送中は水分を与えられていないし、こういうトカゲの飼育に不慣れなショップの場合は適切な湿度管理がなされていない場合も多いもの。だから飼育者の最初の仕事は、このトカゲに適度な湿度と水分を与えることなのです。通常飼育でも、朝晩2回はたっぷりと霧吹きしましょう。餌を与えるのはトカゲが十分に水分をとってから、飼育開始の翌日くらいが適切です。ただし、あまりに脱水がひどい場合は手遅れかもしれません。
で、肝心のエサですが、基本的にはコオロギだけです。レッドローチ(ゴキブリ)もアリかな。口がでかいくせにのどは細くて消化力も弱いので、大きすぎるコオロギを与えないように注意が必要です。目安は、コオロギの全長がトカゲの両眼の幅くらい。
で、これを食いたいだけ食わせます。そんなに数は食いませんが、なにせ細い体で食いだめができないので、こまめな給餌が必要です。ワタクシのところでは、2日に一度、10匹くらいやってますかね。
毎日の霧吹きとこまめな給餌、これが、キノボリトカゲを状態よく飼育するポイントだと覆われます。

正直きついぜ!キノボリトカゲ

先に述べた、飼育者を選ぶってのは、この飼い方にあります。要するに、マメじゃないと飼えないんですよ、このトカゲ。日課みたいにルーチン化されればどうってコトない作業なんですが、慣れるまではチトつらい。おまけに、うっかりエサコオロギを切らしちゃった日にゃあ、精神衛生的によろしくない状態になります。
そして、飼い方の最初にぺろっと書きましたが、このトカゲを導入するには「すでに仕上がったケージ」が必要です。つまり、理想的には「土を敷き、植物を植え、レイアウトを施し、ライティングを整えた何もいないケージ」をあらかじめ用意し、何もいないケージのお世話を毎日せっせとする必要があるわけです。それなんて苦行?みたいな?
でも、こうして苦労して飼育すると、ふとした瞬間にすばらしい発色を見せてくれたり、はっとさせられるような自然な姿を見せてくれるのがこの仲間のいいところ。同種のオス同士は激しく争うものの、多種には寛容なので、サイズとか気をつければ別種との同居も可能です。個人的には、シナミズトカゲとの同居を検討中。食われちゃうかなぁ。

ま、何が言いたいかというと、オレも沖縄行きたかったんだよと、そういうことです。

 

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