突然ですが、ハペ屋という趣味、つくづく精神衛生によろしくない趣味だと思いませんか?
え?知らない?
そーですかそーですか、そんなハペ屋のgekcoでございます。
このコラムの読者にはたしてどのくらい、爬虫類を愛好するハペ屋と呼ばれる人種が含まれているのかわかりませんが、この趣味って本当に精神衛生の面で不健康な趣味だと思うのですよ。
そもそも、肝心の主役たる生体が数万くらいするのはザラ。相手は生き物なので購入して持ち帰るまでの間に死んでいるなんてことも珍しくありません。
周辺機器まで含めると10万を超えても不思議ではありません。
おサイフに優しくないイコール精神に優しくありません。
さらに、彼らは霧吹きをサボれば脱水症状に陥り、温度管理を怠れば仮死状態になり、ケージのふたを閉め忘れれば脱走します。ヘビなど、なんらコチラに落ち度のあるトラブルがないのに突然拒食して餓死しちゃう、なんてことも。
こうして数々の困難を乗り越えたとしても、その先に待っているのは「普通の状態」であって、特別何かがあるわけではありません。
俺は、何のためにこいつを飼っているのか。
俺はこいつを飼っているのか、こいつに飼われているのか。
俺は。俺は…。
そうやって精神を破壊されていくハペ屋も数知れません(言い過ぎか)。
そんな、憑かれてしまった違う疲れてしまったハペ屋の皆様に、オススメしたいものがあります。
それがサカナ、アクアリウムの世界です。
今回はその中でも特にワタクシのオススメ、ポリプテルスをご紹介いたします!
みんな、癒されるがいいよ。

「上陸組」って、知ってるかい?

最近この趣味を始めた方は、レオパだのリクガメだの、いきなり爬虫類を飼い始める人が多いと聞いています。そういう方にはちょっと想像できないかもしれませんが、ワタクシがハペ屋への道を歩み始めた頃、爬虫類専門店なんてのはごく一部にしか知られていないアングラな存在でした。当時、主流はアクアリウムショップ、熱帯魚屋さんです。一口に熱帯魚屋さんと言っても、美しい水草や小型魚を専門に扱うショップもあれば、ちょっとマニアックな種を扱うショップもあります。で、そういうアヤシゲなショップの片隅で、ひっそり取り扱われているのが爬虫類だったわけです。そのため、おのずと当時のハペ屋の入り口は熱帯魚、というケースが多く、そういう人間を「上陸組」と呼んでいました。
爬虫類飼育の専門器具というのもほとんど販売されておらず、熱帯魚飼育の器具を流用して爬虫類を飼育するケースが多かったので、必然的に上陸組のほうが飼育に長けていた、という事情もあります。
個人的には、今もハペ屋を名乗っているヒトビトの過半数は、この上陸組ではないか、と考えています。ワタクシもそんな上陸組の一人です。
かつてはサカナで鍛えた技術があるので、上陸組なら今回ご紹介するポリプテルスなどとっくにご存知でしょうし、飼育で困るようなこともありません。
上陸組ではない最近の飼育者の話を聞くと、どうやらサカナ飼育における水の扱いで困惑するようです。が、そこさえ押さえてしまえば身構える必要はありませんし、特に今回紹介するポリプテルスは丈夫な種なので、そう心配する必要はありません。

お魚飼育のキホンのキ

というわけで、上陸組ではない(むしろそもそもハペ屋ですらない)方のために、水の扱いをば少々。
水中で生き物がフンをしたり死んだりすると、最終的にアンモニアが発生します。このアンモニアは生物にとってかなり有毒な物質ですが、これを分解するバクテリアという微生物がいます。バクテリアの作用によってアンモニアが硝酸塩という限りなく無毒に近い物質に変えられ、生き物が生きられる水が保たれます。このバクテリアには、くっつくことができる場所と、呼吸するための酸素が必要です。そのため、魚の飼育ではフィルターという器具が使用されます。フィルター内のスポンジなどが、バクテリアの住処として機能するわけです。また、フィルター内で空気と接触することで、バクテリアに酸素が供給されます。
ただし、いくらバクテリアが活動しても硝酸塩ができつづけることになり、この硝酸塩が水質を悪くしてしまいます。そこで、水換えが必要になるわけです。このとき、水を総取替えしてしまうと、せっかく発生したバクテリアが死滅してしまいます。そのため、魚飼育では定期的に少しずつ、水換えを行うことが必須となります。環境によって水換えのリズムは違うのでなんともいえませんが、基準となるのは「毎週1回、全水量の1/3程度」の水換えです。この「水換え」という作業を覚えてしまえば、水の扱いはなんてことありません。
もう一点、ぜひ注意して欲しい点が。水を満タンに張った水槽は、「重い」ということです。爬虫類飼育ではまず直面することのない課題だと重います。ポリプテルス飼育では最低でも60cmの水槽を使うことになりますが、60cmの水槽をフルでセットすると、その重さは80キロくらいになります。これを下手なキャビネットに乗せると、水槽の重さで扉が開かなくなったり、壊れたりします。市販の家具で代用できないということはないのですが、慣れないうちは水槽専用のキャビネットを使用するほうが安心です。

ポリプはいいぞぉ

さて、本題。
ポリプテルスというのは、アフリカに生息する特殊な魚類で、いわゆる「古代魚」というカテゴリーに属します。いかにも古代魚らしいロマン溢れる形態が特徴です。背びれは離条ごとに一枚ずつ三角に分かれ、吻端には一対の短いヒゲ(鼻管)があります。胸びれは波打つように動き、細長くしなやかな胴体には種によって明確なバンド模様が入ります。
その起源はハイギョより古いといわれ、彼らの浮き袋には空気呼吸を可能にする肺のような機能が備わっています。しかも、生後数ヶ月の幼魚には外鰓というウーパールーパーのようなヒラヒラがついています。これも両生類っぽくてポイントの高い点です。
10種ほど知られていますが、どの種も基本的におとなしく、同種多種問わず同居飼育が可能です。大型種はオルナティピンニスやエンドリケリーのように60cmを超えますが、パルマスやセネガルスなど20cm程度の小型種もいるので、家に置ける水槽のサイズで選べます。
水質にもまったくうるさくなく、とりあえず前述の水換えがきちんとできていればまず大丈夫。ただ、夜行性で隠れる性質の強い魚なので、あまり複雑にレイアウトすると出てこなくなります。
肉食性で他の魚やエビなどを襲って食べますが、ハンティングはおそろしく下手くそです。
すぐに人工飼料に餌付くので、肉食魚用のフードを使用するといいでしょう。あえてヌマエビなどを与えてハンティングを楽しむということもできますが、たぶん下手くそすぎてイライラします。
飼育に際して一つだけ注意が必要なのは、脱出です。
ドジョウ的な体型なので、ちょっとした隙間から頭を突っ込んで出て行こうとします。水槽の上部やフィルターのパイプ類など、よく注意するようにしましょう。

我が家はデルヘッジ

さて、ここまでオススメするからには、ワタクシももちろんポリプを飼育しております。
我が家ではデルヘッジを飼育しています。40cmくらいになる中型ポリプで、エンドリケリーに近い迫力ある風貌、明暗のはっきりしたバンド模様、おとなしい性格、大きくなりすぎない体型で、大変扱いやすく魅力的なポリプテルスです。
我が家にいるのはまだ幼魚なので、60cm水槽でレイアウトして飼育しています。いずれレイアウトは崩さないといけませんが、そこを気にしないのなら、最大40cmとはいえこのまま60cm水槽で飼育し続けることも可能です。
デルヘッジの最大の魅力はバンド模様なので、もしデルヘッジを飼うなら、自分の目で見て納得のいく個体を探しましょう。通販で買う場合も、個体ごとに写真を載せているようなサイトで探すといいでしょう。成長するとまるで違うバンドになるとかそういうことはないので、幼魚でも気に入った個体を選ぶべきです。
飼育してけっこうたちますが、ライトをつけた状態でも水槽の前面に出てきてくれますし、活発に泳ぐ様子を見ることができます。いるのかいないのかわからないヤモリで疲れた心を癒す、一服の清涼剤です。

 

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