①では第10位から第6位までを紹介してきましたが、ここでは第5位からを紹介していきます。

第5位 ヨークタウン級(アメリカ)

ヨークタウン級空母は、太平洋戦争開戦時におけるアメリカ最強の空母であり、これまでの開発経験を活かしたアメリカ正規空母の決定版といえる艦です。
ヨークタウン級は、全長247m、排水量19800t、速力32.5ノット、乗員2200名で、12.7㎝単装砲、28ミリ4連装機銃等を搭載し、搭載機数は露天繋止を含めて最大で108機と日本空母を上回ります。
「ヨークタウン」「エンタープライズ」「ホーネット」の3隻が建造されました。
煙突と一体化した大型の艦橋に加え、速力、防御力、航空機搭載力ともに申し分なく、アメリカ海軍初の実用的な艦隊空母と評価されました。
そして、ヨークタウン級は実戦でもその性能通りに活躍をみせ、ネームシップのヨークタウンはミッドウェー海戦で沈められたものの、直前の海戦で損傷していたのを3日で応急修理して戦場に駆けつけたというタフネスさを見せつける逸話を残しています。
3隻のうち唯一大戦を生き抜いたエンタープライズは、ドゥーリットル飛行隊の日本本土初空襲やミッドウェー海戦などで活躍した武勲艦として「ビッグE」の愛称で親しまれ、戦後も原子力空母エンタープライズや、ジェラルド・R・フォード級空母の3番艦としてその名が引き継がれています。

第4位 赤城・加賀(日本)

赤城は日本海軍が初めて完成させた大型の正規空母であり、もともとは巡洋艦だったものを改造して造られました
赤城は、全長260.67m、排水量36500t、速力16ノット、乗員2000名で、20㎝単装砲や12㎝高角砲などを装備しており、重巡並みの20㎝砲を搭載しているのは、初期の頃は空母であっても敵艦との水上戦闘が想定されていたからです。
搭載機は常用機66機と補用機25機で、ミッドウェー海戦時には艦戦「零戦」24機、艦爆18機、艦攻18機に補用機9機を加えた69機となっていました。
赤城は建造当初、三段飛行甲板を備えていましたが、艦上機が大型化するとともに使いにくくなっていったため、後に全通甲板に改装されています。
加賀も赤城同様、もとは戦艦だったのを空母に改装されたもので、全長は赤城より小さい247.65mですが、搭載機は最大90機と日本空母でも屈指の搭載機をもち、建造当時は世界的にみても最高クラスの搭載能力を誇りました。
こちらも最初は三段甲板で、後に全通式に改装されていますが、海外にはその姿はあまり知られておらず、戦争中もアメリカでは三段甲板の空母だと思われていました。
日本海軍を象徴する空母として海外での知名度も高く、当時同盟国だったドイツが建造を進めていた空母「グラーフ・ツェッペリン」のモデルとして技術提供を行ったことでも知られます。
赤城、加賀の2隻は南雲機動部隊の中核として真珠湾攻撃から開戦後の快進撃を支えましたが、ミッドウェー海戦でアメリカ艦爆の攻撃を受けて2隻とも沈没しています。

第3位 イラストリアス級(イギリス)

イラストリアス級空母は、第二次大戦でイギリスの主力として活躍した、イギリス海軍が誇る世界初の装甲空母です。
もともと、空母は敵機からの爆弾投下によって飛行甲板に損傷を受けると航空機の発着艦が行えなくなるという弱点が指摘されており、こうした空母のもつ脆弱性を解決するために飛行甲板に装甲を施した装甲空母というコンセプトが生み出されました。
イラストリアス級は、全長225.6m、排水量23000t、速力30.5ノット、乗員1270名で、11.4㎝連装高角砲と8連装2ポンド砲などを備えています。
1番艦「イラストリアス(輝かしい)」、2番艦「ヴィクトリアス(勝利者の)」、3番艦「フォーミダブル(恐るべき)」、4番艦「インドミタブル(不屈の)」、5番艦「インプラカブル(容赦のない)」、6番艦「インディファティガブル(根気強い)」が建造され、5番艦以降は改良型でインプラカブル級とも呼ばれます。
イラストリアス級は、甲板に貼られた76㎜の装甲によって227kg爆弾の直撃にも耐えられるものとされましたが、上部に装甲を施したことによるトップヘビーで艦のバランスが悪くなることを避けるため、格納庫を小さくして重心を下げる設計としました。
このため、格納庫内の搭載機数はわずか37機と排水量が同等である日本の翔鶴(80機)やアメリカのヨークタウン(108機)と比べると戦力として頼りなく見えてしまいます。
実際には、甲板上に露天繋止で18機程度を乗せることができ、大戦中には計50~60機を搭載していた例もあるようです。
しかし、イラストリアス級の就役直後から搭載機の少なさによる使いにくさが指摘されています。
イラストリアス級では、アヴェンジャー艦攻やF4Uコルセア艦戦などイギリス機より性能がいいアメリカ艦上機も使用されました。
欠点もあったイラストリアス級ですが、大戦序盤には主にヨーロッパで、終盤には日本への空襲などに投入され、イギリス空母の主力として6隻全部が大戦を戦い抜きました。 

第2位 翔鶴型(日本)

翔鶴型空母は1番艦「翔鶴」と2番艦「瑞鶴」の2隻が建造され、高い航空機搭載力や速力など空母としてバランスの整った能力を備え、大戦中盤以降は日本機動部隊の主力として活躍しました。
翔鶴型は、飛龍の拡大型として設計されたもので、全長257.5m、排水量25675t、速力34ノット、乗員1660名で、12.7㎝連装高角砲や25㎜3連装機銃を装備し、搭載機数は70~80機です。
ミッドウェー海戦後は、大型空母を多数失い、中型空母や小型空母ばかりになってしまった日本海軍にとって唯一といえる正規空母として機動部隊の中核になります。
翔鶴、瑞鶴ともに太平洋戦争序盤から終盤までを戦った日本海軍の武勲艦であり、真珠湾攻撃、珊瑚海開戦、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦と主要なほとんどの海戦に参加しています。
特に、瑞鶴は幸運艦として知られ、翔鶴と2隻一緒に行動していても、なぜかいつもきまって翔鶴ばかりが損害を受けることになりました。
沈没したのも翔鶴のほうが先で、1944年6月のマリアナ沖海戦でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて撃沈されています。
瑞鶴も同年10月のエンガノ岬沖海戦で囮部隊としてアメリカ機動部隊を釣り上げる役目を負って出撃し、アメリカ艦載機の空襲によって撃沈されています。

第1位 エセックス級(アメリカ)

エセックス級空母は、第二次大戦中盤から終盤にかけて戦力化された大型正規空母で、太平洋戦争におけるアメリカ空母の集大成と呼べる艦です。
エセックス級は、全長260.6m、排水量27100t、速力33ノット、乗員2500名で、兵装として12.7㎜高角砲や40㎜4連装機関砲などを装備しています。
エセックス級はヨークタウン級を発展改良させたもので、搭載機数は最大で艦戦73機、艦爆15機、艦攻15機の103機で露天繋止も含めれば130機という大容量を誇り、4個飛行隊が同時に発艦できる長大な飛行甲板をもち、610tもの航空機用燃料タンクによって長期間の作戦運用が可能になっています。
甲板には装甲はないものの格納庫には装甲が施され、3000mから投下された454kg爆弾に耐えることができます。
搭載機数の多さによって高い攻撃力をもち、防御、速力にも死角のないエセックス級は、空母として理想的な艦であり、太平洋戦争最高ともいえる強力な空母です。
日本海軍が海戦で多数の空母を失っていくなか、アメリカは戦争後半にかけてエセックス級の17隻もの大量配備を行い、太平洋のパワーバランスは大きくアメリカに傾いていきました。
エセックス級は、ネームシップ「エセックス」のように特攻機の突入を受けて損傷する艦もありましたが、1隻の沈没艦を出すこともなく第二次大戦を戦い抜き、戦後も長らくアメリカ空母戦力の中核として第一線で活躍しました。

 

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